〈現代アートの批評/美学/理論〉NADiffで学ぶ、現代アート連続講座

開講日:2019年 6月7日[金]、7月12日[金]、8月9日[金]、9月6日[金]

講 師: 沢山遼、大森俊克、福住廉、星野太

監 修:美術手帖編集部

 

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●概要

 
2010年代、政治・社会的転換、テクノロジーの発達、環境問題など、人類を取り巻く世界は、今もなお大きな変化の渦中にあります。時代を転換する出来事に見舞われたこの10年の国内外の現代アートもまた、新たな現象を生み出してきました。
本講座では、2010年代で注目すべきアートの動向、新概念が、キーワードで解説された『これからの美術がわかるキーワード100』(美術手帖編集部編)を教科書に、本書の執筆陣が講義を担当します。
全4回の講義では、2010年代で注目すべきアートの動向、新概念、現象を、「メディウム」「美術批評・動向 欧米編/日本編」「美学・芸術理論」という側面から辿り、今日の現代アートへの理解を深めると共に、未来のアートを展望できる基礎力を身に着けます。

※会場には机のご用意がございません、ご了承下さい。
 


 

●開催概要

 
第一回 6月 7日[金]20:00-22:00※終了しました
第二回 7月12日[金]20:00-22:00※終了しました
第三回 8月 9日[金]20:00-22:00※終了しました
第四回 9月 6日[金]20:00-22:00※終了しました

受講費: 1回券:2500円(学生:2000円)
     通し券:7500円(学生:6000円)※終了しました
     ※学生の方は受付の際に学生証のご提示をお願い致します。
     ※「キャッシュバックチケット」をお持ちの方は受付時にご持参下さい。現金にて割引額をお渡しさせて頂きます。

定員:50名
会場:NADiff a/p/a/r/t
 


 

●お申込み方法※予約受付は終了いたしました

 
要予約 / 前払い制(ご入金をもって、ご予約完了となります)

①NADiff ONLINESHOP : >>チケットご購入ページ ※クレジットカードでのお支払のみ(お支払完了後、ご予約受付完了のお知らせをお送りいたします)
②ナディッフアパート店頭 :現金でのお支払をご希望の方は、事前にご来店の上レジにてお申し込み下さい

 


 

●「現代アートの批評/美学/理論」 全4回

 

第一回 「事物は変えられるかーメディウムの表象批判」
講 師:沢山遼

開催日:2019年6月7日[金]20:00-22:00 

本講座では、「メディウム」という語をとりあげます。メディウムには、おそらく二つの力能があります。①イメージ形成・生成能力 ②イメージ維持能力。アリストテレスの区分に従えば、①は可能態・潜勢力 ②は現実態と言い換えることもできるでしょう。メディウムの自同律的な同一性・反復を強調するモダニズムの言説が依拠してきたのは、②の側面に過ぎません。ですが、メディウムのなかには、この、相対立する二つの力能がせめぎあい、その内部には、抗争が、政治が渦巻いています。多くの造形芸術は、この、対立しあう二つの力能をどのように調停し、和解させるかという課題を抱えてきました。つまり作品とは、可能的なもの(デュナミス)と現実的なもの(エネルゲイア)の摩擦、もつれのなかから現れ、実現されたものなのです。こうしたことを起点に、メディウムという概念について、いま語りうることについて考えてみたいと思います。
 

 

第二回 「2010年代の欧米美術動向について」
講 師:大森俊克

開催日:2019年7月12日[金]20:00-22:00 

美術館収蔵とインターネット・アートとの関連からブロックチェーンの植民地主義的な側面を論じた、ヘレン・カプリンスキーのテクスト「ブロックチェーン上での収集品管理:美術館の規範への回帰」(2017)について解説します(ブロックチェーンの高度な専門技術については論じません)。また、クレア・ビショップの著作『人工地獄』(2012)所収の「委任されたパフォーマンス」という動向について、制度批判的表現との相違から解説します。その過程で、同書でも大きく論じられた「教育的転回」にも言及する予定です。

 

第三回 「「民俗学的転回」とは何か──2010年以降の現代美術・日本編」
講 師:福住廉

開催日:2019年8月9日[金]20:00-22:00

2010年以降の現代美術を「民俗学的転回」という観点から解説します。これまで現代美術は都市型の文化として成長してきましたが、さまざまな周縁へ拡散したのが2010年以後の現代美術の特徴です。ここでいう周縁とは、山村部や島しょ部で開催される地域型の芸術祭だけではありません。アウトサイダー・アートの拡張や、建築や写真におけるヴァナキュラーの前景化、そしてコンセプトより技術を重視した超絶技巧の台頭──。本講座では、それらの現象を(「民族学的転回」ではなく)「民俗学的転回」として整理しながら、2020年代の現代美術を展望します。

 

第四回 「2010年代のアートシーンと美学・芸術理論」
講 師:星野太

開催日:2019年9月6日[金]20:00-22:00

現代美術の世界において、「美学」や「芸術理論」はつねに実践との微妙な距離を保ってきました。たしかに、作品制作やキュレーションの現場において、その時代を特徴づける哲学や思想上のトピックが参照されることは珍しくありません。また、哲学・思想が、同時代の芸術実践から数多くのインスピレーションを受けてきたことも事実です。しかし両者の関係をつぶさに見れば、むしろそこには多くの誤解やすれ違いが含まれていることもわかります。『これからの美術がわかるキーワード100』で取り上げられた「思弁的実在論」「ポストメディウム」「オブジェクト指向存在論」などを例に、その具体的な事例を紹介します。

 


 

●関連書籍

 

『これからの美術がわかるキーワード100』
美術手帖編集部=編
カバー画像
2010年代のアートがこれ1冊でわかる!
現代美術のいまとこれからを知るためのキーワード集 

2010年代で注目すべきアートの動向、新概念を100のキーワードで解説する、これからの10年を見通すためのヒントがつまった最新美術事典。『美術手帖』2017年12月号「これからの美術がわかるキーワード100」を増補・改訂した保存版です。

発売日:2019.4
著 者:美術手帖編集部
造 本:体裁A5判、並製
頁 数:148頁
定 価:1,500円+税

当店で『これからの美術がわかるキーワード100』をお買い求めの方は、本連続講座の参加費を500円引させて頂きます。

>>NADiff ONLINE

 


 

●Profile

 
沢山遼(さわやま・りょう)
sawayama
美術批評家。1982年生まれ。武蔵野美術大学、首都大学、名古屋芸術大学等非常勤講師。主な論考に「ウォーホルと時間」(『NACT Review 国立新美術館研究紀要』第4号、2018)、「都市の否定的なものたち ニューヨーク、東京、1972年」(『ゴードン・マッタ=クラーク展』カタログ、東京国立近代美術館、2018)など。
 
 
大森俊克(おおもり・としかつ)
大森様
美術批評。1975年生まれ。著書に『コンテンポラリー・ファインアート:同時代としての美術』(美術出版社、2014)、訳書にクレア・ビショップ著『人工地獄──現代アートと観客の政治学』(フィルムアート社、2016)。最近の翻訳に、ヒト・シュタイエル「デューティーフリー・アート」(『美術手帖』2018年6月号)。
 
 
福住廉(ふくずみ・れん)
fukuzumi
美術評論家。1975年生まれ。東京芸術大学大学院、女子美術大学、多摩美術大学、横浜市立大学非常勤講師。著書に『今日の限界芸術』(BankART 1929、2008)、共著に『日本美術全集第19巻─拡張する戦後美術』(小学館、2015)、『「美術」概念の再構築』(ブリュッケ、2017)ほか多数。
 
 
星野太(ほしの・ふとし)
hoshino
美学/表象文化論。1983年生まれ。金沢美術工芸大学講師。著書に『崇高の修辞学』(月曜社、2017)、『奥村雄樹──ジュン・ヤン』(美学出版、2013)など。共著に『コンテンポラリー・アート・セオリー』(筒井宏樹編、イオスアートブックス、2013)、共訳書に『有限性の後で――偶然性の必然性についての試論』(カンタン・メイヤスー著、人文書院、2016)など。
 


 

●お問い合わせ

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TEL. 03-3446-4977

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