出 演:高橋恒一(理化学研究所、全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)/杉浦洋(Yoko Sugiura Nancarrow)(作曲家夫人/考古学者)/五十嵐玄(NADiff現代音楽担当)/中ザワヒデキ(美術家、AI美芸研代表)/草刈ミカ(美術家、AI美学研企画制作)
日 時:2020年2月16日[日]19:00-21:00(開場18:45)
会 場:NADiff a/p/a/r/t
定 員:50名
入場料:2,000円
主 催:人工知能美学芸術研究会、NADiff a/p/a/r/t
※講演と討論は撮影、実況、配信可能です。後日、AI美芸研より記録動画を公開いたします。
※終演後に懇親会を行います。トークの全体討論は懇親会にて行われる予定です。
※懇親会へのご参加は、別途実費となります。
※懇親会のみの参加は御遠慮ください。
●開催概要
『人工知能美学芸術展 記録集』(編・著・発行:人工知能美学芸術研究会)の刊行を記念して、トークイベントを開催いたします。
人工知能は芸術創造の分野にまで侵蝕するのか。
人工知能に美意識が芽生え、自律的に芸術を創作する未来はあり得るのか。
「人工知能美学芸術展」は、人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)と沖縄科学技術大学院大学(OIST)が主催し、ゲーテ・インスティトゥート東京ドイツ文化センターと協働して、2017年11月3日から2018年1月8日迄の67日間、OISTにて開催した展覧会の名称である。同展は人工知能(AI)をテーマとした総合的な芸術展で、34項目の美術展示のほか、4つの音楽コンサートや8回の研究シンポジウムを含み、美学という観点を前面に打ち出した大規模な展覧会としては世界初であった。本書はAI美芸研が2019年に最新の知見を盛り込み編纂した、日本語と英語のバイリンガルによる同展の記録集である。
第28回研究会は出版記念の第二弾として、高橋恒一(理研、全脳アーキテクチャ)からの講演、並びに杉浦洋(Yoko Sugiura Nancarrow)(作曲家コンロン・ナンカロウ夫人/考古学者)をお迎えしNADiffの五十嵐玄、AI美芸研の中ザワヒデキ、草刈ミカとで語らう座談会の二部構成で開催しいたします。
【トーク第1部:高橋恒一講演】
「科学と技術の離婚」
高橋恒一(理化学研究所、全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)
古代ギリシア以来形而上学的な性質が色濃かった自然哲学から経験主義的な一分派が独立して現在我々が「科学」と呼ぶものが成立したのは300年ほど前のことである。自然法則の形式的な理解が巨大な利潤と効用に結び付くという歴史的な大発見であり、その後の産業革命や現代技術の歴史までつながっていく。それ以前はアート(アルス)と関係の深かった技術(テクネー)が疎遠になり科学と技術の結婚生活が始まったのがこの時期である。
近年の情報技術の発展により、我々は認識と複雑な判断を人間から独立して行う技術を手にしつつあるが、これは現代の美学と芸術の根本にも影響する。自然科学の領域では将来的に人間の生物学的な認知能力を超えた領域で自動的に科学的知識を発見するAIロボットシステムの開発が現実化しつつあるが、さらにこの先には科学(=自然哲学)と技術の離婚、さらには技術とアート(=制作)の再婚という次の必然が待っているのかもしれない。
【トーク第2部:作曲家コンロン・ナンカロウを巡って】
「人工知能音楽の先駆-“自動演奏ピアノのための習作”」
杉浦洋(Yoko Sugiura Nancarrow)(作曲家夫人/考古学者)
五十嵐玄(NADiff現代音楽担当)
中ザワヒデキ(美術家、AI美芸研代表)
草刈ミカ(美術家、AI美芸研企画制作)
全域でけたたましく鳴り響くピアノ音群。同時に多数動き回る複雑怪奇なパッセージ。一体全体指が何本あったら足りるのか。とても人間わざとは思えない。そう、これは自動演奏ピアノである。「機械美学/人間芸術」の驚くべき先例として、2017年11月5日、OIST講堂にて、人工知能美学芸術コンサート 03 「人工知能音楽の先駆」を開催した。副題は「コンロン・ナンカロウのロール紙自動演奏ピアノコンサート」。日本初のピアノロールによるナンカロウ連続演奏会であった。
この座談会では、作曲家夫人でメキシコ在住のYoko Sugiura Nancarrow(杉浦洋)をお迎えし、1950年頃から《自動演奏ピアノのための習作》を書き続け1997年に亡くなったコンロン・ナンカロウについて、五十嵐玄、中ザワヒデキ、草刈ミカとでお話を伺います。
●EVENTご参加方法
ご参加を希望される方のお名前、お電話番号、ご参加人数を明記の上、メールにてご予約ください。
お電話でも承っております。TEL : 03-3446-4977
※当日キャンセルはかたくお断りしております
※受信制限をされている方は、当店からのメールを受信できるよう設定お願いいたします。
●商品情報
『人工知能美学芸術展 記録集』
発行日:2019年12月15日
発行/編集/著:人工知能美学芸術研究会
判 型: B4判
頁 数:176頁
カラー図版多数、内容超濃厚、日英バイリンガル
価 格:5,000円+税
●PROFILE
高橋恒一
理化学研究所、全脳アーキテクチャ・イニシアティブ。
「未来のAI」をテーマとしたOISTでのシンポジウムで高橋恒一が行った講演「人類を再発明するために必要なこと」の抄録を、展覧会記録集に所収。また、高橋とAI美芸研とで担当した学会誌『人工知能』2018年11月号の特集「AIと美学・芸術」から「特集にあたって」も再録。(※文責・AI美芸研)
杉浦洋(Yoko Sugiura Nancarrow)
1950年代に単身メキシコに渡りメキシコ国立自治大学(UNAM)考古学教授を長年勤め上げ、現在もメキシコ在住である。1969年に作曲家コンロン・ナンカロウと出会い妻となり一子をもうけ1997年に作曲家の死を看取った。『人工知能美学芸術展 記録集』に「コンロン・ナンカロウの思い出」を寄稿。(文責:AI美芸研)
五十嵐玄
1980年代より池袋西武「ART VIVANT」(現NADiff前身)の現代音楽レコードコーナーを担当、世界中の現代音楽動向に精通するとともに評論、CD評、音楽イベント企画等に携わる。現・NADiff。(文責:AI美芸研)
中ザワヒデキ
美術家。1998年、『ユリイカ』に「作曲の領域:シュトックハウゼン、ナンカロウ」を寄稿、2000年に「方法主義」の活動を始める切っ掛けとした。AI美芸研代表。
草刈ミカ
美術家。OISTで開催された「人工知能美学芸術展」で演奏されたナンカロウのピアノロールを30本以上所蔵する。同展の内容や構成のほとんどの企画立案と決定を行った。AI美芸研企画制作。
●お問い合わせ
NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977