◆ギャラリー・トーク:「贈り物/ことば・写真・ワタシ」 <終了しました>
12月18日[日] 16:00~18:00 森村泰昌 ゲスト:吉増剛造
※吉岡剛造-1939年東京生まれ。現代を代表する詩人。80年以降、銅板に言葉を打刻したオブジェや写真作品の発表など多様な活動を行う。
(C)Morimura Yasumasa
●概 要
森村泰昌が80年代半ばに取り組んだ初期のモノクロームの静物写真は、銀塩写真がもっとも生き生きとした実験を繰り返していた20-30年代のモダニズム写真にも通底しています。
このたび同名の写真集の出版を記念して、森村が名画のシリーズに取り組む以前の初期写真から、選りすぐったプリントと新作を併せて展示いたします。
[企画協力] 青幻舎、MEM INC.
●販売情報
森村泰昌著「Barco negro na mesa」卓上のバルコネグロ
◆普及版
初期のモノクローム写真と、著者による書き下ろしの詩的エッセイを収録した作品集。※サイン入残部僅少。デザイン:葛西薫/A4版/84貢/上紙/ケース入り/青幻舎刊/定価 3,990円(税込)
◆特装本 <ご予約承ります>
特装本添付作品/コラージュ(忘れ者)
(※コラージュの額装は別途料金で承ることも可能です)オフセット、シルクスクリーン、落ち葉、素描「卓上のバルコネグロ」特装本のために制作された作品すべてイメージが異なるユニークピース/各サイン入り/限定27部署名番号入り/定価 84,000円(税込) ※1月下旬販売予定
●Artist Statement
「卓上のバルコネグロ」は、私のモノクロ写真のシリーズです。「肖像ゴッホ」というセルフポートレイトのカラー写真を発表したのが1985年。あれから20年が経ちますが、その前年1984年頃に撮りだめた静物を中心とした写真群です。これらは、当時ほとんど未発表でした。埋もれた作品なのですが、私がずっと大事にあたためてきたものばかりです。これらを御覧になった方はきっと、これがモリムラ作品かと、驚かれると思います。でもここには、物静かな激しさとか、悲しみと喜びが混じりあった雰囲気とか、あるいはこれぞ写真だ!というようなイメージとか、そういう私の好きな要素がいっぱいつまっていて、これこそが私の表現の原点かなと感じています。
このモノクロ写真を今回、写真集として出版します。デザインは、私の好きな葛西薫さんです。「卓上のバルコネグロ」の「バルコネグロ」とは、「暗い艀」の意味で、ファドを唄うポルトガルの歌手アマリア・ロドリゲスの名曲で、当時私が好きだった曲ですが、期せずして葛西さんもお好きだったので、とても嬉しく思いました。本には、散文のような詩のような文章を載せていますが、これは今年書いた新しい文章です。ですから1984年の写真と2005年の文章で成り立った本なんです。いったいいつ誰が出した本なんだろうという感じで、年代不詳の無国籍な世界なのに、どこかなつかしい感じがする、そんな本になるといいのですが。
展示は、オリジナル写真の他に、限定部数の特装本も展示する予定です。こういうものが似合う本かな思っています。美術館でない空間をうまくコーディネートできたらと画策中。
この本によって、私はやっと一回転して原点に戻れたように思います。そしてここからの再出発をすでに構想しています。そういう意味ではこの本は、昔を懐かしむ本ではなく、2005年だからこそ出版したい物、そういうふうに私は思っています。
森村泰昌
●PROFILE
森村泰昌 Morimura Yasumasa (美術家)
1951 大阪府生まれ
1975 京都市立芸術大学卒業
[ 個展 ]
1983 ギャラリーマロニエ(京都)
1986 「すみれ色のモナムール、その他」ギャラリー白(大阪)
1989 「批評とその愛人」モーリギャラリー(大阪)
1990 「美術史の娘」佐賀町エキジビット・スペース(東京)
1991 ルーリングオーガスティン・ギャラリー(ニューヨーク)
1993 「9つの顔」カルティエ現代美術財団(ジョアン・ジョザース・フランス)
「美に至る病」西田画廊(奈良)
1994 サイコボーグ マドンナ・マイケル・モリムラの関係」ザ・ギンザアートスペース(東京)
「ヤスマサ・モリムラ サイコボーグ」ザ・パワープラント(トロント)
「森村泰昌 レンブラントの部屋」原美術館(東京)
1995 「『美に至る病』のための前奏曲」双ギャラリー(東京)
1996 「森村泰昌 美に至る病/女優になった私」横浜美術館
ルーリングオーガスティン・ギャラリー(ニューヨーク)
1997 「森村泰昌:アクター/アクトレス」ヒューストン現代美術館、他
1998 「空装美衝館/絵画になった私」東京都現代美術館、他巡回
2000 「HISTORIA DEL ARTE」ファウンデーション・テレフォニカ(マドリッド)
2001 「女優家Mの物語」KYOTO・えき・美術館(京都)
「森村泰昌のセルフポイートレイト/私の中のフリーダ」原美術館(東京)、他巡回
2002 「女優家Mの物語」 川崎市市民ミュージアム
「ざわめきとときめきの写真展」渋谷文化村ギャラリー(東京)
2003 「卓上のバルコネグロ」MEM(大阪)
「ARTISTS TREASURE」SHUGO ARTS(東京)
2005 「Los Nuevos Caprichos」Galeria Juana de Aizpuru(マドリッド)、Galeria
Thaddaeus Ropac(パリ)、SHUGO ARTS(東京)
「フェルメールの部屋」MEM(大阪)
「女優家M・森村泰昌のセルフポートレイト」砺波市美術館
[ 主著 ]
1996 『美術の解剖学講義』(平凡社)
1998 『踏みはずす美術史―私がモナ・リザになったわけ』(講談社)
『芸術家Mのできるまで』(筑摩書房)
2000 『空想主義的芸術家宣言』(岩波書店)
2001 『「まあ、ええがな」のこころ』(淡交社)
2002 『女優家M 演技の花道』(晶文社)
●お問い合わせ
NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977