森田浩彰 「交換・・作/備/品」

《オープニング・レセプション》
12月14日[金] 19:00 - 21:00

  • morita_image

    morita_image

Photography by Kosuke Hatano

  
 
森田浩彰は、東京都現代美術館でのMOTアニュアル展にも選抜され、いま最も注目されている若手作家のひとりです。
 
ばけつのなかでころがるふたつのプラスチックコップや、壁にねじこまれたまま回転するふたつのおれまがったビス、エヴィアンのボトルからボルヴィックの空のボトルへしたたり落ちる水やトイレット・ロールペーパーなどなど、日常の物品を用いてさまざまな様態を作品として提示してきました。
日常的な物質や既製品の機能と使用法を脱臼させ思わぬ仕方で接続することで、モノとモノの関係性、モノと概念の関係性にあらたな結節点を見いだしてみせます。
その手法や表現は、連綿と続く価値の転用を行うようなリレーショナルなアートの日本の現在形として、ポストゼロ年代の関係性の美学(あるいは微笑、または苦笑)を体現しているといえるでしょう。
 
今回のナディッフでの展示は、MOTアニュアル展で森田がおこなっているプロジェクトと対をなすものとなります。
美術館における、そこに備えられているものと森田が似せて手作りした作品の交換、を受けて、ナディッフでは交換された「もとの」ものを作品として展示します。
まず、美術館に設置されたり使われたりしているものを模した彫刻作品を制作し、美術館ではその作品を「もとの」ものと交換して、備品として使ってもらう。
そして一方ナディッフでは、交換した美術館のものを彫刻作品(のサンプル)として展示することになります。
美術館で使われているものを彫刻として見ることに意味はないし、ギャラリーでそれらを彫刻として見ることにもさして意味があるとは思えません。あくまでも備品・作品という関係を頭の中で変換しないことには意味をなさない。そこには美術館とナディッフという美術を巡る2つの場所で起こるある種の交換があります。この交換により、移動し、使用方法が変わり、名前が変化すると言ったことが同時に起き複雑な状況を作り出します。是非お楽しみください。
企画協力:青山│目黒    協力:東京都現代美術館



Artist Statement
「交換」という言葉にはいつでも期待が混じり込んでしまう。
それは今まで自分に無い何かをもたらしてくれる可能性を感じてのことだろう。たとえ、もたらされる何かが自分を混乱させるものであったとしても、何かが起きる期待を持たずにはいられない。展示では少しの期待を胸に抱きつつ、美術館とギャラリーという美術を巡る2つの場所の間で様々な交換を行ってみようと思う。───森田浩彰


●新刊作品集

hiroakimorita
森田浩彰 Hiroaki Morita 2001-2012
2012.12.14 Release
発行 : 青山│目黒 / テキスト : 石崎尚 / デザイン:本郷かおる / コメント執筆 : 井上文(CAMP)、西川美穂子(学芸員)、宮津大輔(アート・コレクター)、 竹久侑(キュレーター)、冨井大裕(美術家)、藤田六郎(詩人)、成相肇(学芸員)、渡辺英司(アーティスト)、保坂健二朗(美術館学芸員)、北出智恵子(キュレーター)、中村麗(キュレーター) / 翻訳 : 良知暁 / B5サイズ / 24頁 / 価格 1,000円+税

>> Webshop


●会期中Event

TALK EVENT
12月23日[日] 16:00 - 18:00

出 演:森田浩彰(アーティスト)
ゲスト:冨井大裕(アーティスト)
    西川美穂子(東京都現代美術館学芸員)

NADiff a/p/a/r/t 店内 にて
入場無料(予約不要)
※30名様以降は立見となりますのでご了承ください。
 
PERFORMANCE
12月23日[日] 18:30 - 20:00

美術館監視員がNADiffに出張して業務につきます。

 
公開ディスカッション
2013年1月20日[日] 16:00 - 18:00
登壇:森田浩彰 / 増本泰斗、原田晋(AAG)

NADiff a/p/a/r/t 店内 にて
入場無料(予約不要)
 
 
The Academy of Alter-Globalizationと森田浩彰による、
作品の公開再構成&ディスカッション

作品のもつ可能性について、アーティストのみで決定するのではなく、
他者も巻き込みながら展覧会自体を再構成する試みです。

【The Academy of Alter-Globalization】
増本泰斗、秋山友佳、原田晋によるプロジェクト・ユニット >> OFFICIAL SITE


●同時期開催

MOTアニュアル2012 Making Situations, Editing Landscapes 風が吹けば桶屋が儲かる
2012年10月27日[土]-2013年2月3日[日] 東京都現代美術館
>> OFFICIAL SITE
 
MOTアニュアル2012 風が吹けば桶屋が儲かる 展覧会公式カタログ
作品写真、シナリオなどのドキュメント、作家の詳細な略歴・文献などから、コンセプチュアルな作品を「読む」カタログとなる。デザインは、展覧会のメインヴィジュアルも手掛ける立花文穂。

2013.1月中旬発売予定 / A5変型 / 228頁 / 価格2,095円+税


●Profile

森田浩彰 Hiroaki Morita
1973年生まれ。02年に英国ゴールドスミス大学院終了、現在東京にて制作。
2012.10– 東京都現代美術館「MOTアニュアル2012: 風が吹けば桶屋が儲かる」(–2013.2)に参加。