池田みどり 「 I Love You, I Hate You. -すきよ、きらいよ-」

《オープニング・レセプション》
7月20日[金] 18:00-20:00 

《トーク・イベント》
写真集『 I Love You, I Hate You. -すきよ、きらいよ-』出版トーク
7月28日[土] 18:00-20:00

NADiff a/p/a/r/t 店内 にて 入場無料(予約不要)
※30名様以降は立見となりますのでご了承ください。

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この度、NADiff Gallery にて池田みどり展『 I Love You, I Hate You. ―すきよ、きらいよー 』を開催いたします。
注目のフォト・アート・ユニット池田みどりの2010年制作の写真作品『 I Love You, I Hate You. -すきよ、きらいよ- 』の全貌を初公開するとともに、あわせて新シリーズ『HEADACHE』の第一弾を発表します。
『池田みどり』は、写真家の池田晶紀(いけだ まさのり)と美術作家の三田村光土里(みたむら みどり)によるフォト・アート・ユニットです。お互いの作品の背景にある潜在的な記憶をもとに、変化しても消えずに残る街の空気や匂いを、不確かな物語の断片を演じる架空の女性を通し、懐かしくも新しい、時空を超えたどこか遠い場所のファンタジーとして、写真でドラマチックに視覚化してきました。
  
  
『 I Love You, I Hate You. -すきよ、きらいよ-』
 板橋区で50年以上、精密板金業を営む工場を舞台に、ミュージカル仕立てのラブ・ストーリー『 I Love You, I Hate You. -すきよ、きらいよ-』が池田みどりによって制作されました。好評の特大ポスターで印象に残っている方も多いことでしょう。
 この度ギャラリーではプリント全点を展示するとともに池田みどり写真集第2弾となる作品集をリリースして、その全貌を紹介します。
 工場に初めて足を踏み入れたとき、日常から切り離された映画のセットの中にいるような、新鮮な感覚を味わいました。使い込まれた機械や、人々の作業の跡が残る場所には、働く人々の人生と日常の記憶が目に見えない気配となり、どんな人生のドラマがその場所に折り重なってきたのだろうかと、さまざまな空想が膨らみました。
 工場の中のそれぞれの部屋には、映画のセットや舞台美術とは違う、現実の人々の毎日が、何ひとつ調和を乱すことなく、自然に息づいている体温がありました。そこで池田みどりは、ラブ・ストーリーを演ずる男女の、人生の悲喜こもごもが交差する架空の舞台を、リアリティを持ったミュージカル・タッチの作風で、その場所に投影しようと試みました。
 『 I Love You, I Hate You. -すきよ、きらいよ-』は、異国のミュージカルや歌のタイトルにヒントを得て、揺れ動く男女の気持ちの情景を、ストレートに表現したタイトルです。
 一見、殺風景にも見える工場の風景が、恋に落ちた男女のドラマを生き生きと演出し、日常と非日常のはざまを絶妙に描き出す相乗効果が、空間と役者の間に生まれました。そしてそれは、池田みどりが理想とする作品制作の、最高の舞台となってくれました。
   
   
『HEADACHE』
 新作『HEADACHE』では、1950年代ヨーロッパの小さな雑誌広告をヒントに、池田みどりはこれまでにない新しい世界観に挑戦しています。
 三田村のみやげの古雑誌を眺めていた池田が、ふと目に留めたアスピリンの広告写真。
 だれの記憶にも残らないような、その地味な広告写真に魅せられた池田と三田村は、日常生活のどこにでも見られる女性の仕草に、物語のようなポートレートのような、不可解で独特なインパクトを見いだしました。
 池田みどりという架空の人物は、こういった偶然の出来事の中からアイデアが生まれます。この作品は池田みどりの新しいシリーズのカバーとして、今後へと展開されます。
   
   
同時開催となるTRAUMARIS | SPACEでの『編む女の棲む長屋』の展示(7月20日[金]ー8月12日[日])とあわせて、是非ご高覧ください。
  
協賛/協力:株式会社 スガヌマ、株式会社 ポスター印刷、嘉藤笑子/AAN (Art Autonomy Network)、日立インターメディックス株式会社、菊地敦己(菊地敦己事務所)


●関連商品

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池田みどり『 I Love You, I Hate You. -すきよ、きらいよ-』
2012.7.20 / 発行:NADiff+ゆかい / ブックデザイン:菊地敦己 / 28頁 / 210×297mm / 1,400円+税
  
池田みどり「HEADACHE」オリジナルグッズ
展覧会開催に合わせまして、新作「HEADACHE」オリジナルグッズを販売いたします。
・オリジナルグラス
・A2ポスター デザイン:菊地敦己
>> Webshop:池田みどり Books & Goods


●同時開催

   
池田みどり『編む女の棲む長屋』
TRAUMARIS | SPACE (NADiff A/P/A/R/T 3F) 7月20日[金]-8月12日[日]    
   
池田みどり写真ワークショップ『物語のあるポートレートのつくり方』
8月5日[日] 15:00-18:00
 


●Profile

   
池田みどり IKEDA MIDORI
 
『池田みどり』は写真家の池田晶紀(いけだ まさのり)と美術作家の三田村光土里(みたむら みどり)によるフォト・アート・ユニット。お互いの作品の背景にある潜在的な記憶をもとに、懐かしく新しい風景を写真でドラマチックに視覚化する。
2007年、三田村光土里による滞在プロジェクト『編む女の棲む長屋』の写真作品制作を機に結成。2008年には第8回ヨーロッパ国際写真フェスティバル“Tickle Attack”に選ばれ、フィンランドとポーランドを巡回。欧州にも活動の場を広げる。
2009年には墨田区向島を舞台に制作した写真集『池田みどり』を出版。
2010年にはドイツの写真フェスティバル“Fotosommer Stuttgart 2010”に選ばれ出品。
   
   
池田晶紀 MASANORI IKEDA / 写真家
   
横浜生まれ。東京都在住。
1999年自ら運営していた「ドラックアウトスタジオ」で発表活動を始める。2003年よりポートレート・シリーズ『休日の写真館』の制作・発表を始める。2006年個人スタジオ「ゆかい」設立。2010年スタジオを馬喰町へ移転。オルタナティブ・スペースを併設し、再び「ドラックアウトスタジオ」の名で運営を開始。国内外で個展・グループ展多数。アーティスト三田村光土里とのアートユニット「池田みどり」としても活動。
   
2005年 個展『休日の写真館』現代美術製作所(東京)
2006年 『新進作家vol.4 Absolutely Private -ゼロ年代の写真論』東京都写真美術館(東京)
2008年 個展『太陽とみどり』KANZAN あきちギャラリー(東京)
2008年 『A PRIVATE HISTORY -Japanese Contemporary Photography』Victor Barsokevitsch Photographic Centre(フィンランド)
2010年 『SUNSET IN THE MORNING』MASTER PIPER(ロンドン)
2011年 個展『DOUBLE NATURE』ドラックアウトスタジオ(東京)
2012年 個展『DOUBLE NATURE』3331 Arts Chiyoda:3331ギャラリー(東京)
   
   
三田村光土里 MIDORI MITAMURA / 美術作家
   
愛知県生まれ。東京都在住。
私小説を読むように鑑賞者の記憶に呼応する『人が足を踏み入れられる3次元のドラマ』をテーマに、写真や映像、音楽など様々な素材を用いた空間作品を国内外の美術展で発表している。
   
2002 『Not so smooth』資生堂ギャラリー(東京)
   『ニュー・シベリア・カフェ』NADiff/『冬の風の強い日の丘の上、午後2時』現代美術製作所 [ふたつの部屋のストーリー](東京)
2003 『新進作家vol.2 幸福論』東京都写真美術館(東京)
2005 文化庁海外派遣芸術家(フィンランド)としてフィンランド3都市の写真センターを巡回個展。
2006 個展『Green On The Mountain 』ウィーン分離派館Secession
2008 横浜トリエンナーレ同時開催個展『三田村光土里@ヨコハマ』を、廃駅となった横浜の東横線旧桜木町駅舎「創造空間9001」にて発表。
2009 滞在制作個展『部屋の中の惑星で』府中市美術館
2009 「DOMANI―明日―展」国立新美術館
2010 あいちトリエンナーレ共済事業においてパフォーマンス・インスタレーション『青い誘惑』を劇場空間で発表。
2011 水戸芸術館現代美術センター『クワイエット・アテンションズ ―彼女からの出発―』
近年では滞在制作によるアート・プロジェクト『Art & Breakfast』をストックホルム、東京、ベルリン、メルボルンで開催。
2011 『I’m standing beside the water』Bambinart Gallery / 東京