佐内正史 ラレー

オープニング・レセプション》
4月6日[金] 18:00-20:00

《トーク・イベント》

佐内正史 × 伊賀大介

4月7日[土] 18:00-20:00「ラーの日」
4月28日[土] 18:00-20:00「レーの日」

NADiff a/p/a/r/t 店内 にて
入場無料(予約不要)
※30名様以降は立見となりますのでご了承ください。 

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©Masafumi Sanai

 
佐内正史の個展をナディッフギャラリーで開催いたします。
  
 表参道時代のナディッフでは2000年と2005年にそれぞれ個展を行っています。佐内の切り取るイメージは、脳内で独特なことばとも連動しながら、色と形と空気感をそのままに表現し、時代の先端をひた走ってきました。その天才的といっていい写真とことばは、ときにねじ切れて大いにアートシーンなどからははみ出していきました。
 ここ数年の自身のレーベル「対照」の最新刊を引っさげて、佐内正史がナディッフに帰ってまいります。
  
「対照」レーベルの最新刊、『ラレー』の全容を十分にお楽しみいただけます。
 1997年、写真集『生きている』で鮮烈なデビューをかざった佐内正史が、初めて自ら私家版の写真集を出版したのは、2002年の『MAP』。デビューからわずか5年後のことです。自分のイメージと美意識に徹底的にこだわったこの『MAP』は、インターネットやナディッフを含む一部書店を介して販売されました。刊行とともに話題をよんで、短期間で売り切れてしまい、いまや幻の写真集となり、古書市場でも入手困難です。
 佐内が、写真をめぐる深い思索を通じて、自分のなかに浮かびあがる独特のイメージをかたちにするための本づくりは、構成から造本、流通にいたるまで、すべて手づくりの感覚で手がけられています。さまざまな、仕様や印刷の冒険を必要としたので、既存のルートには乗りにくかったのです。
 めざましいスピードで普及したインターネットが拡げるネットワークは、その後、世界各都市に多くのインデペンデント・パブリッシャーや写真家・私家版をはぐくみました。その先駆けとなった佐内事務所の活動は、2008年、独自のレーベル「対照」へとつながっていきます。「対照」は、『浮浪』を皮切りに、2011年の近刊『パイロン』にいたるまでの4年間で、11冊のバラエティ豊かな写真集を生み出しました。
 本展「ラレー」は、「対照」レーベルの12冊目にあたる『ラレー』の出版と時期を併せ企画されました。『ラレー』は、白地にタイトルだけが表記されたシンプルなカバーデザインや造本の考え方、写真のレイアウトまで、2011年11月パリフォトで先行発表された『パイロン』と、すべて同様のコンセプトで仕上げられています。
「しばらく(このスタイルで)続けていきたいなって思ってる。おなじ判型で、片面白で、片面写真で、64ページ、32点。写真とか写真集に向かっていこうっていう気分があって、その気分がなくなるまでやっていこうって思ってる」
 佐内は語る。「伊賀(大介/スタイリスト)さんと、“東京のスタイリング”(東京の街の風景を伊賀がロケハンし、佐内が撮影)とか、“勉強したくない”(5~6人集まってビルの高いところに登って新宿を見よう、など)とか、遊びの延長線上でいろいろやってるんだけど、そのなかの一つがラレー。もともとは独立させて本を出そうっていう感じじゃなかった」
 最初は、伊賀のすすめる店で、ラーメンとカレーを食べるという、なんでもないことから始まりました。
「そのうち食べる前に写真を撮ろうって感じになり、それでラレーが始まったんです。とくにこれといって何もなく自然に始まった」
 企画じゃない、生活でもない。遊んでるようでもある……しかし、最終的には、いつも「実は写真のこと」。
 淡々と並ぶ、ラーメン16点、カレー16点の写真。週に6回から、多いときには11回も12回も、ラーメン屋とカレー屋に通いつめた2年間のあいだには、味や店のマナーにとらわれすぎて立ち止まることもありました。しかし、最終的にはいつも、「あぁ、おれは写真家で、写真を撮って、その写真にちゃんと向かっていかなきゃっていう感じを思い出しまして。あたりまえなんだけど」。
 会期中には、ラレーを巡るプロセスを伴走した、伊賀とのトークも行われます。「佐内正史 ラレー」展、どうぞお楽しみ下さい。
   
   
協 力 :eyesencia
   


●書籍情報

  
sanai_rarry[1]
佐内正史写真集『ラレー』
  
2012.3.31 / 対照+Match and Company Co.,Ltd.
290×257mm / 64頁 / 写真:32点 / プロセス4色 / 糸縢並製本特製函入
限定700部・エディションナンバー付 / 3,800円+税
>> Webshop
>> 佐内正史 対照 BOOKS


同時発売

  
   
伊賀大介デザイン・オリジナルTシャツ「ラレー」
  
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SIZE: S, M, L / 2,800円+税soldout[1]
  


●Profile

   
佐内正史 Masafumi Sanai
  
1968年 静岡県生まれ。現在、東京を拠点に活動。
   
〈主な写真集と写真展〉
1997 写真集『生きている』(青幻舎)/写真展「生きている」ギャラリーヴェリタ(東京)
1998 写真集『わからない』(光琳社出版)
1999 写真集『自分じゃない人』(メタローグ)
    写真集『タンタンと』(アーティストハウス)/写真展「タンタンと」パルコギャラリー(東京)
2000 作品集『女生徒』(作品社)/写真展「憧れ~女生徒より」ナディッフ(東京)
2001 写真集『message』(平凡社)/写真展「message」ROCKET(東京)
    写真集『俺の車』(メタローグ)/写真展「俺の車」ギャラリーナダール(大阪)
    写真展「俺の車」ROCKET(東京)
    写真展「FOREVER PHOTO」C・スクエア(名古屋)
2002 グループ展「JAM: Tokyo-London」オペラシティアートギャラリー(東京)
    写真集『MAP』(佐内正史事務所)
    写真展「MAP全国行商ツアー」(東京・仙台・大阪・京都・福岡)
    写真集『HUG』(ぶんか社)/写真展「HUGの季節」ブックセラーアムズ(大阪)
    写真展「HUG」東京ビジュアルアーツギャラリー(東京)
    写真詩集『シャンプーリンス』(ソニーマガジンズ)
2003 写真集『Chair Album』(佐内正史事務所)
    スライドショー「Chair Album」全国春のツアー(東京・小倉・岡山・大阪・名古屋)
    グループ展「POSITIONS IN JAPANESE PHOTOGRAPHY」Camera Austria-Kunsthaus Graz(オーストリア)
2004 写真集『鉄火』(青幻舎)
2005 写真集『a girl like you ~君になりたい。』(マガジンハウス)
    写真集『Windows and Applen』(イマココ社)
    写真展「ウィンドウズ アンド アップルン」展 CLASKA(東京)
    写真展「木彫りの森 in NADiff」展 NADiff(東京)
2006 写真集『夏秋冬秋』(マッチアンドカンパニー+佐内事務所)
    写真展「夏秋冬秋」LOTUS ROOT GALLERY(東京)
    写真集『ロマンチック』(朝日新聞社)
2007 スライドショー「タローワーク」 川崎市岡本太郎美術館(神奈川)
2008 写真集レーベル“対照”を立ち上げる
    写真集『浮浪』(対照)
    写真集『DUST』(対照)
    写真集『trouble in mind』(対照)
    写真集『ARCA』(対照)
2009 写真集『EVA NOS』(対照)/写真展「EVA NOS」@btf(東京)
    写真集『フラワーロードの世界』(対照)
    写真集『赤車』(対照)
    写真集『Costum Chair Album』(対照)
    写真展「対照・佐内正史の写真」 川崎市岡本太郎美術館(神奈川)
2010 写真集『島島』(対照)
    トークショー「佐島島朗 佐内正史・大竹伸朗・伊賀大介・澤田真幸」 原宿VACANT(東京)
2011 写真集『パイロン』(対照)
    写真展「パイロン」Impossible Project Space annex(東京)
    写真展「人工衛星」Impossible Project Space(東京)
   
   
WEB: sanaimasafumi.jp