会 場:NADiff modern (2F Gallery)
会 期:2021年10月22日(金)— 11月23日(火) 『動物たちの家』出版記念写真展
●EVENT
トーク&スライドショー<『動物たちの家』出版記念トーク>
出 演 : 奥山淳志
日 時 : 2021年11月21日[日] 18:30 – 20:00
>>イベント詳細
●概要
『庭とエスキース』の著者である写真家の奥山淳志による、新しい動物記『動物たちの家』。その出版を記念し、ナディッフモダンでは、本書に収められた写真を中心に未収録作品を加え展示・販売します。
幼いころからハムスターやインコ、犬など数々の動物たちと共に暮してきた奥山淳志は、動物たちへとむかう自身の感情の源を丁寧に見つめ続けます。目の前に現れた小さな友だちを想う個人的な経験は、やがて、生命や存在への普遍的でいて新しく、あたたかな思索へと繋がっていきます。
小さな生命たちが放つ、存在の確かな美しさを、まっすぐ捉えた奥山淳志の作品をぜひご覧ください。
※作家の暗室で制作された発色現像方式印画によるオリジナル・プリント約25点展示予定。
※展示期間中に『動物たちの家』をお買い上げの方には、特典として作家制作によるオリジナルフォトカード3種をプレゼントいたします
『動物たちの家』
昨年のちょうど今頃だろうか。遠い記憶の奥底に手を伸ばすようにして文章を書きはじめた。主な内容は子供の頃に飼っていた犬、鳩、ハムスター、インコといった動物たちについてで、いわば「動物たちとの日々」とでも呼ぶべきものだった。
書いていてずっと頭にあったのは、動物たちに向かう感情の源と行方だ。ふかふかな毛並みや羽毛に包まれ、きらきらと光る瞳を持った小さな動物たちは、存在すべてが奇跡そのものだ。なぜ、この手で抱きしめたいのか、存在のすべてを求めるのか、言葉が生まれる前に惹き寄せられていく。それは一瞬にして心を奪われるような感覚に近い。
しかし、そうやって抱き寄せた動物たちとの日々はやがて終わる。動物たちがいつか去っていくのは絶対の約束だし、この約束が守り遂げられる前に僕たち自身が動物たちから遠ざかっていくこともある。人間にとって動物という存在は忘れ物になっていくこともある。実際、僕自身もそうで多くの動物たちをぞんざいに扱った。
でも動物たちの全身から伝えられたぬくもりは、やがて目を覚ます。あの日、生きていた動物たちの存在感は、火種のように小さくも強い炎を僕の胸の中で灯し続けてきたように思う。それは生命を持つもの、動物に触れた先でしか得ることができない感覚だと思う。
そして動物たちが灯す存在感は記憶のなかにだけあるものではない。ずっとつながっているとしか、あるいは今も求め続けているとしか言いようがないのだが、僕の日々には常に動物たちの存在があって、過去に覚えたあの感覚が新しい息吹をまとい続けているという実感がある。動物たちとの新しい過去と懐かしい現在。そこに見出したかったのは、生命持つものの存在の行方だったような気がする。
動物が目の前に現れると「ああ、動物がいる」と、僕の視界はその存在でいっぱいになる。視界の真ん中にいる動物たちはいつも真新しく、そして温かな奇跡のように思える。
奥山淳志
●EVENT
『動物たちの家』出版記念トーク&サイン会
出 演:奥山淳志
日 時:2021年11月21日[日] 18:30 – 20:00 ※受付18:00-
場 所:Bunkamura地下1階 ドゥ マゴ パリ テラス
定 員:20名
サイン会対象:事前に『動物たちの家』(みすず書房)をナディッフモダンにてご購入頂いた方を対象とさせていただきます。
イベント参加券:コーヒーつき・・・1700円(税込)
お申込み方法:ナディッフモダン店頭にて、またはお電話でも受け付け可能です。
ナディッフモダン:03-3477-9134
※屋外での開催のため、暖かい服装でお越しください。
※雨天の場合、屋内の特設会場で開催いたします。
●Bunkamura館内でのイベント参加につきまして
▼会場内での感染予防対策
・お客様用の手指消毒液を各入り口に設置しております。
・ソーシャルディスタンスを保った座席配置を致します。
▼館内では以下の対策を行っております
・スタッフのマスク着用
・スタッフのこまめな手洗い、うがい、手指の消毒
・消毒液使用し、こまめな店内清掃
・接客時にはお客様との一定距離の確保
・レジカウンターに透明シートを設置
▼ご来館のお客様には以下のご協力についてお願いしております
・館内でのマスクの着用をお願いいたします。
・入館時には手指の消毒をお願いいたします。
・発熱や咳、全身痛などの症状がある場合、ご自身の体調に不安のある場合は、
くれぐれもご無理なさらずご来館をお控えいただきますようお願い致します。
・ご自身で来館日時の記録をお願いいたします。万一、イベント参加者の感染が確認されたした場合はお知らせいたします。
●書籍紹介
『動物たちの家』
ともに暮らした小さな生き物たちへの友情と哀惜。動物を求める感情の源を見つめ、その“場所”で息をしている生命のすがたを綴る、新しい動物記。
版元:みすず書房
発行日:2021/8/2
仕様:四六判 タテ188mm×ヨコ130mm
頁 数:320頁
価 格:2,800円(税抜)
●Profile
奥山淳志(おくやま・あつし)
1972年大阪府生まれ、奈良県育ち。京都外国語大学卒業後、出版社に勤務。1998年岩手県雫石町に移住し、写真家として活動を開始。以後、東北の風土や文化を撮影するほか、人間の生きることをテーマにした作品制作をおこなう。
受賞歴に、2006年「Country Songs ここで生きている」でフォトドキュメンタリーNIPPON2006、2015年「あたらしい糸に」で第40回伊奈信男賞、写真集『弁造 Benzo』および個展「庭とエスキース」(ニコンサロン)で2018年日本写真協会賞 新人賞、2019年第35回 写真の町 東川賞・特別作家賞がある。
2018年 写真集『弁造 Benzo』(私家版)、2019年『庭とエスキース』、2021年『動物たちの家』(みすず書房)を上梓。
ホームページ https://atsushi-okuyama.com
●お問い合わせ
Book Shop: NADiff modern
150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1Bunkamura B1
TEL. 03-3477-9134