石井友人、榎倉冴香、地主麻衣子、高石晃、桝田倫広の5名の作家、キュレーターによる自主企画展、「わたしの穴 美術の穴」(スペース23℃、2015年)の展覧会冊子の発売を記念したブックフェアを開催いたします。
展覧会「わたしの穴 美術の穴」は、榎倉康二、高山登、藤井博、羽生真が1970年に行った「SPACE TOTSUKA ’70」での展示を参照し、穴というテーマを参加者が共有して自主企画された展覧会です。展覧会冊子『わたしの穴 美術の穴』は、展覧会の記録集であると共に、「SPACE TOTSUKA ’70」に焦点をあて、展覧会の事後に執筆された各参加者のエッセイを収録したものです。
1970年冬の初め。三島由紀夫が自決し、村上春樹の小説中では主人公がピンボールにのめり込み、中平卓馬が「来るべき言葉のために」を刊行、そして高山登らがスペース戸塚に穴を掘りました。この頃の1970年前後の文化的状況に表現者達により穿たれた「穴」と、2015年に美術家達によって実際に掘られた「穴」。
本書における各執筆陣の試みは、その異なる時代のふたつの「穴」を結び付けようとする、作業報告として読み取ることも出来るでしょう。
今回のブックフェアー「1970年の穴から現在を覗く」では、展覧会「わたしの穴 美術の穴」の一連の穴掘りの最中、或いは冊子への執筆のための事後的なリサーチや検証において参照した書籍を紹介し、その試みの軌跡を示そうとするものです。参加者らによるコメントと共に、店頭にて各書籍をご紹介いたします。
●商品情報
『わたしの穴 美術の穴』
2015 年、世田谷にあるギャラリー「スペース23℃」にて開催された展覧会「わたしの穴 美術の穴」のドキュメントブック。展示風景などの写真だけでなく、この展覧会が参照していた、1970 年の展覧会「SPACE TOTSUKA ’70」(榎倉康二、高山登、羽生真、藤井博)の資料、さらには著者がそれぞれに思考を深めて執筆したテクストを収録。美術家とキュレーターが独自の想像力を生かし、1970 年前後の日本美術史や風景をめぐる問題系と、現代日本の脱社会化し化した文化状況を架橋する。
発行:アダチデルタ
価格:800円+税
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●関連展覧会(終了しています)
「わたしの穴 美術の穴」
2015年4月3日-2015年4月26日
会場=スペース23℃
参加=石井友人、榎倉冴香、地主麻衣子、高石晃、桝田倫広
>>展覧会WEB SITE
「SPACE TOTSUKA 70(木・壁・草・土・家・石・空・地・火・空気・水…)」
1970年
会場=横浜市戸塚区
参加=榎倉康二、高山登、藤井博、羽生真
●フェア書籍選者Profile
石井友人 ISHII Tomohito
1981年東京都生まれ。2006年武蔵野美術大学大学院油絵科修了。主な展覧会に、「引込線 2015」(旧所沢市立第2学校給食センター、2015)、「大和コレクションⅦ デイドリーム-つむがれた記憶」(沖縄県立博物館・美術館、2015)、「新朦朧主義」(Redtory Museum of Contemporary Art, Guangzhou、2015)、「複合回路 vol.6 認識の境界」(galley αM、2011)。 http://www.tomohitoishii.com
榎倉冴香 ENOKURA Saeka
1982年東京都生まれ。2005年多摩美術大学油絵科卒業。主な展覧会に、「アダチデルタ」(アダチデルタ、2016)、「NEW BALANCE #2」 (CAPSUL、2015)、「榎倉冴香展」(タカシマヤギャラリーNEXT、2014)、「eyes and glasses」(スプラウト・キュレーション、2013)、「あなたに会わなくなってから」(H.P.FRANCE WINDOW GALLERY、2013)。http://www.saekaenokura.com
地主麻衣子 JINUSHI Maiko
1984年神奈川県生まれ。2010年多摩美術大学大学院絵画専攻修了。主な展覧会に、「新しい愛の体験」(HAGIWARA PROJECTS、2016)、「リターン・トゥ トーキョーワンダーサイト レジデンス2015–2016」 (トーキョーワンダーサイト本郷、2016) 、「Zero Gravity」(Matadero Madrid、2015)、「おおきな口、ちいさな手 もしくは ちいさな口、大きな手」 (Art Center Ongoing、2015)。http://maikojinushi.com
高石晃 TAKAISHI Akira
1985年神奈川県生まれ。2010年武蔵野美術大学大学院油絵科修了。主な展覧会に、「地下水脈」(Maki Fine Arts、2016)、「早川祐太×高石晃×加納俊輔 三つの体、約百八十兆の細胞」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館、2015)、「ignore your perspective 27(」Kodama Gallery、2014)、「 シャンポリオンのような人」(Kodama Gallery、2013)。http://www.akiratakaishi.com
桝田倫広 MASUDA Tomohiro
1982年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科美術史学コース修了。現在、東京国立近代美術館研究員。関わった主な展覧会に、「No Museum, No Life?―これからの美術館事典」(東京国立近代美術館、2015)、「高松次郎ミステリーズ」(東京国立近代美術館、2014-2015)、主な論文に、「うわさのベーコン―日本におけるフランシス・ベーコン受容の歴史のためのノート」(『フランシス・ベーコン展』、東京国立近代美術館/豊田市美術館、2013)。
●お問い合わせ
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