営業日:木、金、土、日、祝
※8月16日(火)、17日(水)は営業いたします。
営業時間:13-19時
●概要
この度、NADiff a/p/a/r/tでは、画家・久松知子の個展「ホワイトキューブの向こう側」を開催いたします。
久松知子は1991年三重県生まれ、東北芸術工科大学修士課程日本画領域を修了しました。在学中の2015年には、第7回絹谷幸二賞奨励賞受賞した《日本の美術を埋葬する》で日本の美術界の権威を群像として描き、第18回岡本太郎現代芸術賞岡本敏子賞受賞の《レペゼン 日本の美術》では、日本独自の美術史観を可視化し描くなど、歴史的な文脈を出発点に、鋭く美術界の現況を表現してきました。近年では、<大きな物語>として描いてきた日本の近代美術史と対比しスマートフォンで撮影した個人的な思い出の写真を絵画に描く<小さな物語>シリーズや、全ての人が絵画を所有する社会が可能なのかを問う実験として、アートを買うことの敷居を限界まで低くし、作品を実現することをコンセプトとする「300円絵画」プロジェクトなど、常に新たな表現を試み、精力的に発表してきました。今年2022年には、作品発表の舞台裏にある情景や、美術品取引の歴史を可視化した「芸術の流通」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、東京)を開催し、新たな着眼点で今日の日本のアート界の現状を描いています。また、今夏には公益財団法人ポーラ美術振興財団の在外研修員としてアメリカ滞在を予定しており、益々活動の幅を広げています。本展では、アートの流通の舞台裏のありふれた場面を描き、グローバルに標準化されたアートシステムへの疑問を今一度問いかけます。様々な表現で日本の美術界の現状を描きだす作家の最新作をぜひご高覧ください。
アートフェアの終了後に解体された資材のゴミ、ギャラリーでの撤収と作品の梱包、コレクターの倉庫での作品整理。これらの具象画の主題として選択しているのは、アートの流通の舞台裏にある、ありふれた場面だ。
私はタブローの作品を描く時、アートという文化においてローカライズによって生まれるものは何だろうかという疑問を持ちながら、その主題を決めている。
今更言うまでもないことかもしれないが、デシャン以降の美術史をバックグランドとした現代アートは欧米の文化だ。美術館やアートマーケットのシステムをみると明らかなようにように、それは今では標準化された文化装置としてグローバライズされている。そこで私が気になることは、それが非欧米圏各地に定着するときに起こる変質としてのローカライズだ。
ここ日本では現代アートという文化のローカライズはジレンマにさらされている。地理的、言語的、文化的なギャップを埋め合わせ、ドメスティックに受け入れられる形を作り上げた代わりに、標準化されたルールや形式は見かけだけの共通点になっている。ホワイトキューブとは、ニュートラルで標準化されたギャラリーという存在を体現しようとするものだったかもしれないが、ローカルにその白い箱が根付いた時には、カタカナで表記されるアーティストステートメントも、作品の表現の特徴も、観客も、実質的にはそのギャラリーの所在にある固有の磁場に馴染む。そのとき、1万キロのかなたの歴史や思想はあくまで遠くの存在になる。
このような文化的ジレンマは、苦しいものなのか、喜ばしいものなのか?
●商品情報
久松が福島県喜多方市での滞在制作を機に描き続けている「赤べこ」。
展覧会にあわせて、モチーフキャラクターがプリントされたトートバッグとTシャツを販売いたします。
赤べこトートバック
2640円(税込)
赤べこTシャツ
3300円(税込)
●作品の販売について
展示作品の一部は2022年8月11日(木)13:00よりNADiff a/p/a/r/t店頭およびOIL by 美術手帖にて販売いたします。
●PROFILE
久松知子|Tomoko Hisamatsu
1991年三重県生まれ。埼玉県を拠点に活動。2017年東北芸術工科大学大学院修士課程日本画領域修了。主な展覧会に「芸術の流通 久松知子展」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、東京、2022) 「NISHIJI COLLECTION」(Kanda & Oliveira、千葉、2022)、「ARKO 2018 久松知子」(大原美術館、岡山、2018)など。2022年公益財団法人ポーラ美術振興財団の在外研修員に採択。米国にて研修予定。
個展
2022年 芸術の流通 久松知子展(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、東京)
2021年 EDO TIME(トライギャラリーおちゃのみず、東京)
Storyteller(ギャラリー桜林、茨城)
300円絵画(NADiff a/p/a/r/t、東京)
2020年 300円絵画(はねとくも、埼玉)
2019年 美のあるくらし(トライギャラリーおちゃのみず、東京)
久松知子絵画展(日本橋三越、東京)
2018年 Return 喜多方美術倶楽部の絵(大和川酒蔵、福島)
ARKO2018 久松知子(大原美術館、岡山)
2017年 ひさまつ子の思い出アルバムpainting(トライギャラリーおちゃのみず、東京)
2015年 美術家の幸福論!(Roppongi Hills A/D gallery、東京)
2014年 喜多方酒樽絵画etc.(新宿眼科画廊、東京)
2013年 神の子羊(新宿眼科画廊、東京)
主なグループ展
2022年 NISHIJI COLLECTION(Kanda & Oliveira、千葉)
2020年 久松知子・根本裕子展(ギャラリーつじるし、福島)
六甲ミーツアート芸術散歩2020(六甲山サイレンスリゾート、兵庫)
2020年 リボーンアートフェスティバル2019(石巻市街地エリア 旧かしわ屋、宮城)
高橋コレクション展 アートのふるさと(鶴岡アートフォーラム、山形)
TOKAS OPEN STUDIO(トーキョーアーツアンドスペースレジデンシー、東京)
山形藝術界隈展一一[山形藝術界隈オールスター展] (GALVANIZE gallery〔石巻のキワマリ荘1F〕、宮城)
2018年 えらぶん:のこすん:つなげるん (はじまりの美術館、福島)
Multi shutter/マルチシャッター(EUKARYOTE、東京)
山形ビエンナーレ (東北芸術工科大学、山形)
2017年 パープルーム大学 尖端から末端のファンタジア(ギャラリー鳥たちの家、鳥取)
TOHOKU CALLING(アーツ千代田 3331 B104 ギャラリースペース、東京)
山形藝術界隈展〇一(ミサワクラス、山形)
2016年 NIHON画~新たな地平を求めて(豊橋市美術博物館、愛知)
第18回岡本太郎現代芸術賞 「岡本敏子賞」受賞久松知子 新作展示(岡本太郎記念館、東京)
2015年 東北画は可能か?ー地方之国現代美術館ー(T-Art gallery、東京)
第18回岡本太郎現代芸術賞(川崎市岡本太郎美術館、神奈川)
受賞歴
2015年 第7回絹谷幸二賞 奨励賞
第18回岡本太郎現代芸術賞 岡本敏子賞
所蔵
高橋龍太郎コレクション
大原美術館
西治コレクション
スタリソンチ市(ポーランド)
山形市
作家HP
●新型コロナウィルス感染予防対策
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・ご来場時にはマスクの着用をお願いいたします。
・ご来場時には手指の消毒をお願いいたします。
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●お問い合わせ
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