NADiff Window Gallery vol.89
木村俊幸「MATIM25contact~亡き惑星遊女のためのパヴァーヌ~”Pavane for a Dead Sex Odyssey”」

営業日:木、金、土、日、祝 3/21(火)は祝日のため営業いたします。

営業時間:13-19時

 

TALK EVENT 
登壇者:HI-VISIONS(木村俊幸、小川泰、岡野智史)、BUCHER ABC/gravavgrav/C.S.S.Oはるまげ堂TV”関根成年、藪前知子(キュレーター)
開催日:2023年3月12日(日)19:00-20:30 (開場:18:45)
開催場所:NADiff a/p/a/r/t店内
参加費:1,200円(税込)
定員:30名
チケットのご購入はこちら

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●Information

この度、NADiff Window Galleryでは、アーティスト・木村俊幸の個展「MATIM25contact~亡き惑星遊女のためのパヴァーヌ~”Pavane for a Dead Sex Odyssey”」を開催いたします。
木村は1969年東京都生まれ。日本大学で油画を学んだ後、フリーランスのマットペインターとして黒澤明、大林宣彦監督の作品や平成ゴジラシリーズなど、数々の特撮やVFXを手掛けてきました。また、1997年に絵画から映像を再構築する技法に特化した特撮スタジオとして「LOOP HOLE」を設立。映画、PV、ゲーム等の映像メディアで業績を残しながら、2005年6月に現代美術を扱うギャラリーをスタジオ内に併設し、自身の作品発表や展覧会の企画、若手作家の支援もしています。
本展は、木村が2009年より続けている”MATIM”シリーズの25回目の展示(交信)であり、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1899年に作曲した『亡き王女のためのパヴァーヌ』からインスピレーションを得たインスタレーション作品を展示いたします。
また、会期中にはゲストを招いてのトークイベントの他、本展と同時開催で都内3か所のスペースにて展示が開催されます。是非こちらにも足をお運びください。
 



Buzz… ジジ…..それらが「メイティム」の抽象的意識下に置かれることにより、繋がらないはずのジグソーパズルのピースが何故か嵌るという事態に鑑賞者は遭遇することだろう…ジ..
( 林 澄子 MATIM- 不確かな楽園の人たち - 抜粋)

“MATIM”の活動はcontactという怪しげな冠をつけて現在25回目の展示(交信)となる。ルームメイト、チェックメイト、ソウルメイトにアニメイト、果てはカロリーメイトに至るまでmateという言葉は常に何かと”同居”する。mateを語源に編まれた造語”MATIM”は数年前までは発音すら定かではなかった。マティム?そうではない、”メイティム”だと何度も英語圏の友人に説明してきたのも無謀な試みだが、遂には苦笑いと共に発音してくれた時には何故か不思議な安堵感が双方に広がったものだった。

3年前に”発音記号と開いた口を描いた挿絵”がネットに上がり、固唾を呑んでポチると”メイティム”とアッサリ発音した。僕の唇はキャンペーンガールの釣り上がる頬の形に歪み、頭上の雲間が開き一陣の光が差し込む事は無かったが、グルグル周る山手線の天井の染みを凝視して”Yes MATIM”と呟き、拳を握った。

ジジ…..U.F.Oと人の季節はセットだ。告げに来るのだよ。今から始まるぞ、とか、もう始末を考えろとか。君の場合は春告鳥だ。これからいろいろ起こるぞ…ジ..( O JUN O JUNと生徒の対話 - 抜粋)

2018年、カナダのVFX工房(Rodeo)の社長に呼ばれ現地入りするも、訪れた施設に広がる”山猫”の乱獲歴史の展示に魅入りvfxアーティストである事を忘れる。滞在中、帰国後のswitch point での個展のtitleばかり気になり、titleを”traveling”を捩り”travelince”にしたく発音を調べると、語尾が”リンス”ではなく”リンチェ”と発音すると気づく”トラベリンチェ”?と何度も呟きながら雪の中のモントリオールを練り歩く。..Yes MATIM..

展覧会DMとなった”宇宙パイロットを模したヘルメット”は元々は猫用の移動キャリーだっノダ。自分ですら気づいていなかった….そして、リンチェとは、”山猫”を指す。

私はまるで振り付けを仕込まれた猫系ダンサーの気分だった。

昨年末、NHK特番『フジ○ヘミング特集』に挿しこまれるハズの紙芝居『ショパンの伝記』を描く仕事が舞い込むもアッサリ目前で消失した。ショパンの似顔絵を筆ペンで何度も描いた記憶と、伝記を読んだ時のビジョンが宙に浮いたまま彷徨う3日間、ふと妻と娘に喪失感を拭うかのようにオススメのクラシック曲を尋ねたりした。
2人はラヴェルの”亡き王女のためのパヴァーヌ”を挙げた。パヴァーヌという摩訶不思議な発音に、ニヤリとする。脳裏に口元の発音形態の図案が浮かぶも、曲を聴いた瞬間、一気に涙腺が緩んだ。

直ぐにこの名曲をbeatmaker”Toad” に頼んで展覧会のイメージノイズにして貰う事にした。

ジ…嘗て女王だったと噂される老婆が冬の波止場に何度も訪れては、猫の群れに恭しく餌を上げている〜そんなビジョンが脳裏に浮かぶ。

Buzz..子供達は身なりの貧しい老婆を冷やかし、漁師は怪訝な顔で老婆に溜息をつく。雪の降り積もる朝、何故か盛り上がってる筈の雪がなく、重なりあった猫達が逃げてゆく。そこには小さく生き絶えた、”嘗て女王だった”と名乗る老婆が眠り、彼女の向く海原の先には乳房のような山々が連なる。
その宙空にクラゲのような意味不明の物体が黒く微かに揺らめいている。私はその前で、

Yes MATIM

とだけ呟いている。

(2023.2.7 MATIM戦記”パヴァーヌ”より抜粋)

Sound Noise by “Toad”(trackmaker)
youtu.be/SZpo1i4tOkk



●TALK EVENT

3月12日(日)には1階店内にて、ゲストをお招きしトークイベントを開催いたします。
ぜひご参加ください。

登壇者:HI-VISIONS(木村俊幸、小川泰、岡野智史)、BUCHER ABC/gravavgrav/C.S.S.Oはるまげ堂TV”関根成年、藪前知子(キュレーター)
開催日:2023年3月12日(日)19:00-20:30 (開場:18:45)
開催場所:NADiff a/p/a/r/t店内
参加費:1,200円(税込)
定員:30名
チケットのご購入はこちら

 


●同時開催

LOOP HOLE 個展
会 期:2023.03.02[木]—2023.03.26[日]
会 場:LOOPHOLE gallery
営業日:木、金、土
営業時間:14-18時
Website

“パヴァーヌTV” by HI-VISIONS
会 期:2023.03.05[日]—2023.04.08[日]
会 場:CLEAR GALLERY TOKYO
営 業:火〜土(日・月・祝日休み)
営業時間:12-18時
Website

MATIM 26th contact “穴”と”宮” O JUN × 木村俊幸
会 期:2023.03.18[土]—2023.03.19[日]
会 場:エスエス企画 東京オフィス1F
営業時間:11-18時
Website


●販売作品

作品はOIL by 美術手帖にて販売しております。
尚、掲載作品はOIL限定販売のため、当店では展示しておりません。
一部の作品は、同時開催中のLOOPHOLE galleryにてご覧いただけます。
>> OIL by 美術手帖
 


●PROFILE

木村俊幸 / Toshiyuki Kimura

現代美術家/VFX監督/マットアーティスト。LOOP HOLE主催。
1969年東京都生まれ。日本大学芸術学部油絵科版画専攻中退。 学生時代、映像制作会社のアルバイトで映画会の合成作画の巨匠、石井義雄氏に出会い、師事。黒澤明、大林宣彦監督の作品の他、平成ゴジラシリーズ(94~95)、写楽(95)ハリウッド作品「スポーン」(97)「リング」(98)宇多田ヒカルのMV、サウンドノベルゲーム「弟切草-蘇生篇-」等、フリーランスのマットペインターとして、数々の特撮/VFXを手掛ける。 第1回岡本太郎現代芸術賞展(97)、新宿少年アート展(98)の後、VFX studio LOOP HOLE設立。ギャラリーを併設し、様々な展覧会を企画、若手作家の支援をしている。2013年には、20名の現代美術家が集い「最近の抽象」をテーマにした展覧会「ダイチュウショー」を府中市美術館企画室と共同企画し、自身も出品作家として参加。 画集MATIM -SAY YES- (東京都現代美術館/府中市美術館/金沢21世紀美術館:所蔵)や、OJUNとの共著 viny bon(東京都現代美術館/所蔵)、背景ビジュアル資料集1~14(監修/イラスト) スチームパンク東方研究所等(巻頭イラスト) 等、書籍多数。 ※マットペインター: マットペインティング(動画における合成時の描画技法)の技術者。

Exhibition
個展(from 2001, selected)
2022 “MATIM -23nd contact – Family Council –
2021 “MATIM -20nd contact-Buzz..Kimura son were Negatim (chim)death
2017 “MATIM 12nd contact-travelince-トラベリンチェ”, switch point
2014 “MATIM-寄港”, LOOPHOLE, Tokyo
2013 “MATIM -front line-” , Galeria de Muerte, Tokyo
2011 “Family Planning 2 (Memories of Love)”, LOOPHOLE, Tokyo
2008 “菊島奈美 心のシャッター”, LOOPHOLE, Tokyo
2005 “Maternity Blues”, LOOPHOLE, Tokyo
2001 “階沢蒼一の自画像”, Art Space Aoyama, Tokyo
グループ展(from 2001, selected)
2021 “Hi-Vision, Act 2”, CLEAR GALLERY TOKYO, Tokyo
   “Hi-Vision”, CLEAR GALLERY TOKYO, Art Fair Tokyo 2021, Tokyo
2020 “A SPACE ODYSSEY”, CLEAR GALLERY TOKYO, Tokyo
2018 “Tsukuttemita -Artist book production and exhibition-”, Tokyo & Miyagi
2017 “Kiso Paintings”, Nagano
2014 “きたかぜとたいよう”, TURNAROUND, Miyagi
2013 “DAI CYU SHOW 最近の抽象”, Fuchu Art Museum / LOOPHOLE, Tokyo
2012 “Nuclear Summer”, Galeria de Muerte, Tokyo
2011 “NEW TOKYO CONTEMPORARIES”, Kyobashi 2 Chome Area / VILLA TOKYO, Tokyo
2010 “Lucky Fortune”, ZENSHI Gallery, Tokyo
2008 “CHOCOLATS DES FUCHU”, LOOPHOLE, Tokyo
2002 “The first Taro Okamoto Award for Contemporary Art”, Taro Okamoto Museum of Art, Kanagawa

Award
2017 Omnibus film, “ブルーハーツがきこえる (BLUE HEARTS ga kikoeru)”
    “人にやさしく(Hito ni yasashiku)” (VFX supervisor/concept design/Matte Artist/model maker/compositer)
    VFX-JAPAN Award 2017, Best Film Award
2006 “現代畸聞録 怪異物語 (Gendai-kikenroku Kaii-monogatari)”
    10th Japan Media Arts Festival, Recommended works of the judging committee in the Animation department
    (Lyon and Montreal Art Film Festival)
2004 “CHASSERN” (VFX supervisor/concept design/Matte Artist/Second direction)
    10th AMD Award 2004, Best Visual Designer Award

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●お問い合わせ

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NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977
定休日:月、火、水
営業時間:13-19時
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