定休日:月曜日
営業時間:12-20時 ※3⽉1⽇(金)、3月7日(木)、3⽉15⽇(金)はイベントのため19時閉店
※2⽉26⽇(⽉)〜28⽇(⽔)は展⽰⼊れ替えのため店舗休業とさせていただきます。
イベント
鈴木ヒラク×淺井裕介
トーク・セッション「書き/描き残すことについて」
⽇時|2024年3⽉15⽇(金)19:30〜21:00
会場|NADiff a/p/a/r/t
定員|30名
会場参加|1,100円 >>TICKET
※本イベントは定員に達しました。
概要
鈴木ヒラクは1978年生まれ。平面‧彫刻‧パフォーマンスなど、ドローイングの概念を拡張する制作活動を続けています。鈴木は、線をかく行為=ドローイングとは、潜在する線を発見していく「発掘」であり、線を「チューブ(管)」ととらえることで、こちら側とあちら側の間にトンネルのような中空の通路を生成し、世界あるいは宇宙と一体化するための手段だと語ります。初のエッセイ、ドローイング論である『DRAWING ドローイング 点‧線‧面からチューブへ』と、群馬県立近代美術館で2023年に開催された個展のカタログ『今日の発掘』の2冊の著書は、鈴木がテーマとしてきた「描く/書くこととはなにか?」という根源的な問いに対する作家の現在地を示しています。
本展では、紙とインクによる新作のドローイング作品を中心に展示します。昨年の9月から10月末にかけて、鈴木が南フランスにある数万年前の洞窟壁画を巡るなかで、絵と言葉が分化する時代以前の未解読の記号をスケッチ、それを解体‧再構築して筆とスプレーで紙の上にかくことを試みたシリーズ「Untitled (Cave)」や、和紙を使用した「Untitled (Lights)」を中心に、群馬県立近代美術館で発表された、ワークショップの痕跡「自然のマーカー」を本展にあわせて再構成します。 新しい方法や素材を取り入れ、フィールドワークを重ねながら、かくことに向きあう作家の姿が浮かび上がるような展示となっています。
作家ステートメント
昨年の9月に初のエッセイ本が刊行され、同時に大きな個展がオープンした。人生で最も多く書いたり描いたりした日々の一区切り。その直後、僕はそれらを噛み締める間もなく荷物をまとめて、南フランスの奥地にある洞窟に向かった。
フォアザック、コンバレル、フォン・ド・ゴーム、ラスコー、ペシュメルル、、、数万年前に書かれた/描かれた膨大な線たちが立体物として、現実の光と影のコントラストとして、そこにある。クマの引っ掻き傷を真似た線、叩いたり刻んだり、チューブ状の動物の骨を通して口から顔料をスプレーしたり、両手をステンシルとして使ったり、岩の膨らみを取り込みながら形を発想するなどのテクニックや、空間的な線の間合いのセンスには息を呑む。いやあ本当にすごい。全く古くない。それらにできる限り近づいて、ポケットに折りたたんだ紙の束にスケッチしていく。線の集合の中から、一瞬、自分が既に知っている線を目で追っていることに気づくとそれをやめて、目をリセットするように心がけた。何か、今まで自分がかいてきたものをすごく反省したり、逆に勇気づけられたりもした。あんな線かいてちゃダメだったなあ、とか、あの線はやっぱり「有り」だったんだ、とか。
そんな心の揺れが収まらないうちに、南仏の小さな村ケリュに借りたスタジオに直行、膨大なスケッチを壁中に貼ってから、白い紙に向かってみる。しかしいま、何が出てくるのか?その時、長年避けてきた筆という道具が役に立った。日本出国前に、ふとスタジオの片隅で何本かの古い書道用の筆を見つけ、スーツケースに放り込んでいたのだった。筆とスプレー缶、そしてシルバーと黒だけで、光と闇を行ったり来たりしてみる(シルバーのインクのメーカーは「ラスコー」だ)。すると面白いようにスルスルと、今までかいたことのない、知っているようで知らない線が紙の上に現れていった。これは自分の内側の線のアーカイヴを再編していく作業でもあったのだろう。
日本に戻ってからも、そうやって紙に向かう時間は続いている。まず洞窟で蝋燭を吹き消すように、ふっと脳内にある形を消してしまう。闇のなかで現像されるのは、アイデアではなく、いまこの瞬間の出来事の痕跡だけである。洞窟壁画をかき写した次は、自分の方がかき手側になるのだ。この洞窟を奥へと進んでいくなら、同じ出来事は二度と起きないことを肝に銘じなければならない。紙は洞窟の壁であり、都市の壁で、印画紙で、スケートリンクで、網膜だ。瞬間的な出来事を受け止めて像を結んでくれる。僕のWorks on Paperは全て、その上で光と影が踊った痕跡の記号だ。シルバーは対象に刻み込まれると同時に、遠くへ飛び立つ。感光しながら、反射する。
作品の販売について
NADiff a/p/a/r/t 店頭とアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売します。
※作品はプレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
店頭販売開始日|2024年2⽉29⽇(木)12:00
オンライン販売開始⽇|2024年3⽉7⽇(木)13:00
URL|https://oil.bijutsutecho.com/artist/48
商品情報
鈴木ヒラク『DRAWING ドローイング 点・線・面からチューブへ』
本体価格|2,640円(税込)
発行年|2023年09月
発行元|左右社
装幀|松田行正+杉本聖士
装画|鈴木ヒラク
仕様|四六判 上製 284ページ
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鈴木ヒラク『今日の発掘』
本体価格|2,200円(税込)
発行年|2023年11月
発行元|Drawing Tube
監修|群馬県立近代美術館
執筆|ボニー・マランカ(出版社PAJ Publications、雑誌『PAJ: A Journal of Performance and Art』発行人・編集者)、栗本高行(美術評論家)
デザイン|須山悠里
編集|中村水絵(HeHe)、田中龍也(群馬県立近代美術館)
言語|日本語/英語
仕様|B5判変形(255 × 180mm)/72ページ/スイス装(スケルトン装)
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Tシャツ Arrow/Circle
価格|4,180円(税込)
サイズ|Women’s M/Women’s L/M/L/XL
素材|綿100%
>>NADiff Online(Arrow)
>>NADiff Online(Circle)
トートバッグ Heart/Microbe
価格|2,750円(税込)
サイズ|H350mm×W300mm (持ち手 : 25mm×560mm)
素材|綿100%
>>NADiff Online(Heart)
>>NADiff Online(Microbe)
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プロフィール
鈴木ヒラク|Hiraku Suzuki
1978年生まれ。アーティスト。
東京芸術大学大学院修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどの各地で滞在制作を行う。描くと書くの間を主題に、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど様々な制作活動を展開し、ドローイングの拡張性を探求している。主な個展に『今日の発掘』群馬県立近代美術館(群馬、2023年)がある他、これまでに金沢21世紀美術館(石川、2009年)、森美術館(東京、2010年)、ヴロツワフ建築美術館(ポーランド、2015年)、銀川現代美術館(中国、2016年)、MOCO Panacée(フランス、2019年)、東京都現代美術館(東京、2019-2020年)など国内外の美術館で多数の展覧会に参加。2016年よりプラットフォーム『Drawing Tube』を主宰。音楽家や詩人らとのコラボレーションやパブリックアートも数多く手がける。作品集に『SILVER MARKER』(HeHe、2020年)など、著書に『ドローイング 点・線・面からチューブへ』(左右社、2023年)がある。現在、東京芸術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス准教授。
ゲスト・プロフィール
淺井裕介|Yusuke Asai
土、テープ、道路用白線などを素材に、国 々な場所で奔放に絵を描き続け、 マッチ箱 か ら50mを 超 す壁 画 まで を受 け止 める場所 や環境 にしなや か に 呼応 して、絵画表現の本質を探る美術作家。近年では「あらゆるものは変化を続ける」を 核としてに、代表作である様々な土地の土を使った泥絵作品の他にも、手のひら一握りの土で作られた無数の小さな陶器作品や動物の血で描く作品など様々な展開を試みている。今年春夏にかけて金津創作の森美術館にて個展「淺井裕介展 星屑の子どもたち」開催予定
会期:令和6年4月27日(土)~8月25日(日)10:00~17:00
●お問い合わせ
NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977
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