写真分離派「写真の非倫理 - 距離と視角」

月曜日定休 ※月曜が祝日の場合は翌日
2月28日[火]に限り営業時間15:00-20:00
 
TALK EVENT
2017年2月12日[日]  ゲスト=須田一政  出 演=倉石信乃、鷹野隆大
2017年3月12日[日]  出 演=清水穣、鷹野隆大、松江泰治

>> イベント詳細
 

  • TAKANO

    TAKANO
  • MATSUE

    MATSUE
  • KURAISHI

    KURAISHI

 

●展覧会概要

 
「写真とは何か、写真の可能性はどこにあるのか。我々は今、改めて問いたいと思う」
-「写真分離派宣言」(2010年)より抜粋-

写真家の鈴木理策、鷹野隆大、松江泰治、批評家の、倉石信乃、清水穣によって2010年に発足した写真分離派は、上述の宣言文を掲げた自主企画展や、各地でのレクチャーなど、断続的な活動を今日まで行ってきました。
NADiff Galleryではこの度、写真分離派の2012年以降の活動をまとめた著作集『写真分離派Ⅱ 写真の非倫理』の刊行にあわせて、写真分離派展「写真の非倫理 - 距離と視角」を開催いたします(鈴木理策は今回不参加)。
写真文化が激動の転換期を迎えた今、写真の過去・現在・未来を捉える視座を、本展、そしてトークイベントを通じて提起します。
作品集『写真分離派Ⅱ 写真の非倫理』は、edition.nordから通常版、プリント付特別版の2種類がリリースとなり、当会場で先行発売を行ないます。あわせて是非ご注目下さい。

 
 

協力:TARO NASU, Yumiko Chiba Associates/Zeit-Foto Salon, edition.nord
第9回 恵比寿映像祭 地域連携プログラム参加企画
 


 

●写真分離派展「写真の非倫理 − 距離と視角」解題

 
新即物主義の写真を代表するアルベルト・レンガー=パチュの『世界は美しい』は、本来「もの(Dinge)」というぶっきらぼうなタイトルでした。カメラの目を通して現れる、美しくも醜くもない、ただあるがままの存在者たち、あるがままの世界ということです。
ヴァルター・ベンヤミンがこの「あるがまま」主義に噛みついたことは良く知られています。「その(新即物主義の)写真は、どのような悲惨であっても、それを今風に完璧に撮影することによって、享受の対象にしてしまえるのである。『生産者としての作家』」「こうしたクリエイティヴな写真の真の顔は広告ないしフォトエージェンシーであるから、それに正当に対立するものは暴露、あるいは構成である。『写真小史』」
ベンヤミンはもはや売れ筋商品と化した「あるがまま」に抵抗します。が、それなら、何を暴露するのでしょう? 写真を人工的に「構成」するならば、その写真はやはりクリエイティヴではないでしょうか?
 
倉石信乃の映像作品には、次のような言葉が登場します:
「災厄を描く 写すときにも/写真が絵画であるのは避けられない」「そこに写真の非倫理があり/教条を逃れるみちがある」
展覧会のタイトルはここから採られました。
 
ピントとフレーム、距離と視角の選択によって、写真は原理的にそして不可避的に、現実を一枚のピクチュアに作り変えます。しかしそれは同時に、写真が、出来事との間で距離を測り、視角を決める批評的なメディアであるということです。その距離と視角は時間的なそれでもあるでしょう。
 
松江泰治がカメラを測量機器(トランシット)として撮影した風景、鷹野隆大のポートレート、倉石信乃の映像、それぞれの展示作品において、測量、距離、視角が共通した問題意識として現れています。距離と視角は、鷹野作品では今・ここの時間において演じられます。倉石作品は過去の震災(1923年と2011年)を対象とし、松江作品は30年前の作品を扱うことで、空間的・時間的な距離と視角が問題となっています。

 

清水穣


 

●EVENT

TALK EVENT1
2017年2月12日[日] 18:00-19:30
ゲスト=須田一政
出 演=倉石信乃、鷹野隆大

 

TALK EVENT2
2017年3月12日[日] 15:00-17:00
出 演=清水穣、鷹野隆大、松江泰治

 

会場:NADiff a/p/a/r/t 店内
定員:50名
入場:1,000円 / 当店で新刊お買い上げの方は無料

EVENTご参加方法
ご希望日、ご参加を希望される方のお名前、お電話番号、ご参加人数、ご参加希望日を明記の上、メールにてご予約ください。
お電話でも承っております。TEL : 03-3446-4977



※受信制限をされている方は、当店からのメールを受信できるよう設定お願いいたします。
 

●新刊書籍
 
写真分離派『写真分離派Ⅱ 写真の非倫理』

 
発行日:2017年2月9日発売予定
発 行:edition.nord
デザイン:秋山伸

写真分離派の2012年から2016 年までの活動をまとめた1冊。名古屋、京都で行われた展覧会の記録や、トークイベントの採録に加え、須田一政・杉本博司・荒木経惟の三氏に写真分離派メンバーがインタビューする豪華コンテンツも収録。
本書は通常版、特別版の2つのエディションで制作。特別版には鷹野隆大、松江泰治のオリジナルプリント各1点がセットされる、限定50 部のコレクターズアイテムとなる。
 
主な内容:

1──作品図版
松江泰治「TRANSIT」
鷹野隆大「ピントが合う少し前の風景」

2──展覧会の記録+展示風景
第二回展 写真分離派展「写真+」
第三回展 写真分離派展「日本」

3──トーク再録
「写真+」トーク1:鈴木理策+鷹野隆大+清水穣
「写真+」トーク2:大島成己+松江泰治+清水穣
「写真分離派の夕べ」対談:清水穣×倉石信乃

4──インタヴュー
須田一政インタヴュー(聞き手:鈴木理策、鷹野隆大)
杉本博司インタヴュー(聞き手:清水穣、鷹野隆大)
荒木経惟インタヴュー(聞き手:倉石信乃、鷹野隆大)

5──作品図版
春日昌昭(第三回展「日本」展示作より)

 

通常版『写真分離派Ⅱ 写真の非倫理』

仕 様:約200頁/網代綴じ
サイズ:B5
部 数:初版950部
予 価:2,500円(税抜)
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特別版『写真分離派Ⅱ 写真の非倫理』

仕 様:
・化粧箱(B4以内変形)
・特装版本冊子(印画紙表紙/遮光袋入り)
・A1ポスター
・オリジナルプリント:鷹野隆大、松江泰治の各作家各1枚/全2枚/各タトウケース入り
 
部 数:限定50部
予 価:45,000円(税抜)

プリント作品の内容とバリエーション:
・鷹野隆大 (未発表の男性ヌード作品/キャビネサイズ/タイプCプリント/5種・各10点・選択可)
・松江泰治 (90年代に世界の地表を撮影した連作からの50点/ポストカードサイズ/ゼラチンシルバープリント/技術データ記載あり/50種・各1枚・選択不可)

>>特別版詳細
>>ONLINE STORE
 


 

●関連情報

 
■第9回恵比寿映像祭
2017年2月10日[金] ‒ 2月26日[日]
会場:東京都写真美術館
>>公式サイト
 


 

●PROFILE

 
写真分離派


2010年   鈴木理策、鷹野隆大、松江泰治、倉石信乃、清水穣により「写真分離派宣言」発足

[主な展覧会]
2010年 「写真分離派宣言」展, NADiff Gallery
2012年 写真分離派展「写真+」, 中京大学アートギャラリーC・スクエア(名古屋)
2014年 写真分離派展「日本」, 京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ(京都)

[出版]
2010年 PUNCTUM TIMES No.14『写真分離派宣言』, PUNCTUM TIMES
2012年 『写真分離派宣言』, 青幻舎

[本展参加]
鷹野 隆大(たかの りゅうだい) 1963年福井県生まれ、写真家。
松江 泰治(まつえ たいじ) 1963年東京生まれ、写真家。
倉石 信乃(くらいし しの) 1963年長野県生まれ、詩人、批評家。
清水 穣(しみず みのる)1963年東京生まれ、写真評論家。
 


 

●お問い合わせ

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NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
TEL. 03-3446-4977