出 演 : 荒木慎也(近現代美術史、美術教育学)
ゲスト : 漆原夏樹(美術家)
日 時 : 2018年4月7日[土] 20:00-21:30 (開場 19:45)
会 場:NADiff a/p/a/r/t
定 員:50名
入場料:一般 1,000円 / 大学生以下 500円(学生証、または年齢のわかる証明書等のご提示をお願いします)
●概要
NADiff a/p/a/r/tでは、『石膏デッサンの100年―石膏像から学ぶ美術教育史』出版刊行記念トークイベントを開催いたします。
美大受験をする者なら誰もが経験する石膏デッサン。その是非を巡る議論は繰り返され、いまだその決着を見ることはありません。本書は、膠着状態にある石膏デッサンへの言説を、その受容からいま一度振り返ることで、有効な議論へと発展させ、より構築的な美術教育史の理解を進めようとするものです。
今回のイベントでは、本書での議論をさらに先に進めるために、著者の荒木慎也氏と日本画をベースに制作を行う漆原夏樹氏の対談というかたちで、石膏デッサンや受験絵画が、美術家としての制作活動との連続性を持ち得ているのかを議論します。本書のリサーチ範囲が主に油画科のものだっただけに、「日本画教育における石膏デッサン」という軸は、「石膏デッサン」における議論に新しい視座を与えることでしょう。また、漆原氏自身は予備校での指導経験も長く、指導者としての立場から「石膏デッサン」を美術教育の中でどのように捉えていたかといったことにも話は及びます。
「デッサン」という言葉や概念は、時代によって変化し、その起源も曖昧なものとなりました。そして本場ヨーロッパから離れた極東という立地の条件もまた、日本の「石膏デッサン」が実態以上のロマンをかきたてて、神秘的・本質的な色合いを帯びたのではないでしょうか。しかし、日本が「捏造」したデッサン信仰は無意味ではなく、誤読や誤解から新しい表現もたくさん生まれました。だからこそ、「洋画」「日本画」「デッサン」といった言葉の定義や画一的な解釈を求めるのではなく、誤読や誤解から生じる近現代日本のアートの可能性を、「デッサン」をキーワードに語ることができるのでしょう。
はたして受験絵画や美大教育において、私たちは何を「継承」し、また何と「断絶」したのでしょうか。現代の作家にとって受験絵画を有効に引用することは、ある側面では美大教育より有効です。ほかにも、「自主自由を尊重する教育による弊害」、「美術教育におけるジェンダーの問題について」、「公募展系日本画作家の西洋画からの引用について」……など、時間の許す限り、活発な議論を行っていきます。
●EVENTご参加方法
ご希望日、ご参加を希望される方のお名前、お電話番号、ご参加人数を明記の上、メールにてご予約ください。
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※お申し込み時に既に定員に達している場合は、ご参加出来ない可能性もございます。
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※当日キャンセルはかたくお断りしております
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●商品情報
荒木慎也『石膏デッサンの100年―石膏像から学ぶ美術教育史』
発行元:ART DIVER
発行日:2018年2月
サイズ:A5判変
項 数:256頁
仕 様:並製本
装 丁:木村稔将
価 格:2,200+税
美大受験生たちの血と汗と涙の結晶。「石膏デッサン」とは、何だったのか?
とりわけ美術予備校において、その描画メソッドは時代とともに進化を遂げており、短期間の集中的な修練で見違えるほどの優れたデッサンを生み出すことができるようになっている。しかし、いざ美術大学に入ってみると石膏デッサンは不当な扱いとされているのも実情である。教授によっては、「石膏デッサンの技術は、創作活動には有害だ」とすら指導する。美大受験に必須であった「石膏デッサン」は、大学では一転不要なものとされ、学生はその狭間で立場を問われる。
はたして、石膏デッサンは必要なのか?
石膏像を巡る苦闘の歴史がわかる、石膏デッサン研究の決定版!!
●Profile
漆原夏樹(うるしはら・なつき)
1977年神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院絵画科日本画専攻修了。2014年第6回トリエンナーレ豊橋大賞受賞。大学在学時より美術予備校教育に携わり、鎌倉美術研究所、立川美術学院、新宿美術学院にて日本画科、基礎科講師として勤務。現在は県立高校非常勤講師として勤務。美術家として日本絵画を基盤とした作品を発表。
荒木慎也(あらき・しんや)
1977年名古屋生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。2013年に博士(学術)。東京大学教養学部国際ジャーナリズム寄付講座特任助教を経て、現在は成城大学、多摩美術大学、武蔵大学非常勤講師。専門は近現代美術史、美術教育学。主著に『石膏デッサンの100年―石膏像から学ぶ美術教育史』(アートダイバー、2018年)。
●お問い合わせ
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