“イン・プリント(lNPRNT)”とは、印刷メディアを含む刷られた作品のこと。1982年のデビユー以来、アーティスト大竹伸朗は印刷メディアにこだわり続けてきました。すてに32種類にもおよぶ、様々なテーマで編集された大竹伸朗の画集には、書物というメディアの既成の思考や方法からの絶え間ない拡張と逸脱が試みられております。
1年以上にも及ぶ歳月をかけて、アトランタのただ一人の印刷者によつて刷られた最新画集「ATlanta1945+50」では、ビルボード(街頭広告)の「ヤレ」(印刷上生じた余剰分)を集め、それにイメージを印刷するという極めて複雑なプロセスに挑戦しています。そのためどれ1冊をとつても同じものはなく、いわゆる原画を元に複製を印刷するという考え方とは根本的に異なる、書物というパッケージに現実をコラージュした、それ自体ひとつの表現結果となるアーティスト・ブックを実現しています。
今回の展示では、書籍、印刷という古典的てあると同時に、極めて現代的てもあるメディアに対する大竹伸朗のアグレッシヴな試みを、原画、コラージュ、版画、プロセス、ソースを含めて作家自身のインスタレーションで展示いたします。 |