1991年10月、日本とアメリカを結んで実現した「アンブレラ、日本−アメリカ合衆国1984-1991」のプロジェクト・ブックの出版を記念して「クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード展」を開催いたします。土埃の舞い上がるカリフォルニアの大地にちりばめられた1,760本の黄色い傘、茨城の田圃や川を横断して続く1,340本の青い傘。その色と配置は二つの国の気候・風土・文化の相似点と相違点を鮮明に浮かび上がらせました。地球規模の空間的な拡がりを持ちながらも、3週間という短い時間の中で実現された「アンブレラ」プロジェクトは、二つの場所で多くの人々に体験・記憶されながら、誰に所有されることもなく、現在となっては実現に向けて制作されたアーティストのドロ−イング、写真、折衝の記録などの痕跡を辿るほかありません。今回ナディッフでは「アンブレラ」プロジェクトのオリジナル作品に加えて、傘に使用した布、設置作業のユニフォームやヘルメットなどを展示。アクチュアルな資料を手がかりに「アンブレラ」プロジェクトを辿ります。
◆クリスト・アンド・ジャンヌ=クロードのブック・ワーク
アーティスト自身のレイアウトによるプロジェクト・ブック全種類をはじめ、展覧会カタログ、ポスター、インヴィテーション・カードなどを展示いたします。
◆ギャラリートーク
10月31日[土] 午後3時
【柳正彦(美術評論家)/ゲスト:中原佑介(美術評論家)】
クリスト夫妻と数々のプロジェクトを共にした柳正彦氏とゲストに中原佑介氏をお迎えして「アンブレラ」プロジェクトを中心にお話しいただきます。 |