ILYA KABAKOV　“Books, Albums, Posters, etc.”

イリヤ・カバコフ「本、アルバム、ポスターなど」

1998.12.28 Mon. - 1999.2.1 Mon.

1933年ウクライナ生まれのイリヤ・カバコフは、80年代後半から、強烈な物語性を帯びた独特のインスタレーション作品で知られ、現在では世界で最も重要な前衛芸術家の一人に数えられています。とくに1988年に発表されたインスタレーション「10人の人間たち」では、想像上の人物を使って旧ソビエトの日常的抑圧の中で生きる小市民の悲喜劇的状況を展開し、特異な視点から人間的構造を深く描き出しています。90年代に入って以降も、ベネツィア・ビエンナーレやドクメンタ等で、大胆なインスタレーションを制作。彼のユニークな発想は衰える所を知りません。カバコフの作品の魅力は、ロシア古典文学の伝統を想起させつつ、常に革新的な語り口で作品を創りあげている点にあるでしょう。ナディッフでは、イリヤ・カバコフのドローイングやアルバム、アーティストブック、書籍、代表的な展覧会のポスター、カタログなどを集め、展示、販売いたします。

イベント&トーク
■1月 9 日（土） 午後3時／午後6時 　朗読パフォーマンス　笠原拓郎（パフォーマー）
＜定員20名 \1,200（コーヒーチケット付）要予約＞
許可が得られた展覧会しか認めなかった当時のソビエト社会の下で、カバコフは親しいアーティスト、詩人、文学者たちを自分のアトリエに招き、イーゼルに乗せたアルバム・ドローイングを一枚一枚めくりながら朗読するパフォーマンスで、こっそり作品を見せていました。カバコフの了解を得て、日本で初めて彼のテキストによる朗読を行います。

■1月15日（金） 午後3時 　「カバコフ作品解説」 佐谷周吾（ギャラリスト）
今回展示する「アルバム」や代表作「共同住宅のキッチン」、「自分のアパートから宇宙に飛んでいった男」など、カバコフの作品にはどのような真意とコンセプトがあるのか。カバコフと交流の深い佐谷周吾氏にお話しいただきます。

■1月23日（土） 午後3時　「カバコフについて」 中原佑介（美術評論家）
1999年3月の来日が予定されているカバコフ。その素顔は果たしてど　のようなものでしょうか。ロシア・アヴァンギャルドの専門家でもある 美術評論家・中原佑介氏をお招きして、アーティスト・カバコフの表現と生活について伺います。