ナディッフ パフォーマンス・ウィーク 1.「ヴァロ・木の帽子」 |
1.「ヴァロ木の帽子」 |
これが私たちの名前です。発音はできません。 |
は、美術館や歴史のある建物、野外など面白い場所を見つけ、その場所のイメージから発想してひとつの舞台をつくっていきます。春秋2回の本公演のほか、気に入った場所で一日だけ小品を公演する<特別な一日>シリーズで実験的な試みや、短いお話など、本公演ではできない変わった題材を取り上げるなど、各々の場に合わせて書きおろした作品を上演しています。が描く世界は、現実とは少し異なるどこか架空の国の日常の姿です。「ヴァロ木の帽子」がやってくる日、アートショップ・ナディッフは、いつもと違う場所になります。 公演会期 台詞・演出 / 山中正哉、出演 / 柳澤明子、丹保あずさ ほか、美術 / 藤波信男 |
2.「イリヤ・カバコフのアルバム」先の「イリヤ・カバコフ」展(98年12月28日-99年2月1日)会期中に行った朗読会をみなさまのご好評に応えて再演いたします。アルバム・ドローイングを一枚一枚めくりながらの朗読は、厳重な旧ソビエト体制下でカバコフが秘かに行っていた室内楽的パフォーマンスをそのままに再現しています。架空の人物を登場させることによって、当時の日常的抑圧の中で生きる小市民の悲喜劇的ストーリーを展開しています。作品の背後にある強烈な思想と物語性は、朗読を通して初めて鮮明になるといえるでしょう。また、これらのアルバムに見られるコンセプトは、ベネツィア・ビエンナーレやドクメンタなど、90年代に入ってのち展開されるトータル・インスタレーションの原点となっており、カバコフの作品を知る上で見逃すことができません。 公演会期 作 / イリヤ・カバコフ、出演 / 笠原拓郎 |
3.「ブラン・ヴァン・ヴェルデの作品とサミュエル・ベケットによるテキストの朗読」二人の出会いは1937年、ヴァン・ヴェルデ42歳、ベケット31歳、両者とも無名の時代。前者は当時の住み処マヨルカ島からパリへ戻り、後者はドイツの旅を終えパリに住みはじめた年でした。2年後、ヴァン・ヴェルデがベケットに絵を見て欲しいと手紙を書き、これを契機に二人は唯一無二の友情で結ばれました。46年、ベケットの尽力でヴァン・ヴェルデ初の個展(パリ)を開催。ベケットは美術誌[カイエダール]にヴァン・ヴェルデの絵画論を発表します。この論からは画家への深い理解と同時にベケットの文学観そのものがヴァン・ヴェルデの芸術観に極めて近いことが見て取れます。卓越した芸術家どうしの友情は終生変わりませんでした。この二人でコラボレートした挿画本があります。ベケットは55年に発表した「Textes Pour rien(反古草紙)」の中から13章を、ヴァン・ヴェルデは78年のリトグラフから白黒の連作5枚を各々選び、87年「反古草紙13」というタイトルで刊行しました。この挿画本は、いわば二人の共同作品ともいえます。今回は、この挿画本に収められたテキストとリトグラフを展示し、このテキストの日本語訳を鈴木理江子が朗読いたします。 公演会期 作・テキスト/ サミュエル・ベケット、出演 / 鈴木理江子、 作品 / ブラン・ヴァン・ヴェルデ |