「現代美術センター・CCA北九州」は、全国初の現代美術を専門とした非営利の公的学習・研究機関として、1997年に開設。この5年間のCCA北九州内ギャラリーにおけるプロジェクト(展覧会や出版)活動を通して注目を集め、現在では国内外で広く知ら れるようになりました。主要な活動である「スタジオ・プログラム」は、世界の第一線で活躍するアーティストや各分野の専門家を教授または講師として招き、国内外の若手アーティストの為のリ サーチ・プログラムを展開。また、世界を舞台に活躍しているアーティストを招聘する「アーティスト・イン・レジデンス」のプログラムでは、各々のアーティストによる展 覧会を年に6〜8回ほど開催しています。 その一方で出版活動に力を入れ、CCAに滞在したアーティストとの共同制作として、世界でもまれな40冊近くにもおよぶアーティスト・ブックを出版。アーティストのコ ンセプトを徹底追求したラディカルな本造りは、美術関係者から高い評価を得、それを裏付けるように、欧米の美術専門書店や美術館でも取り扱われています。今回ナディッフで開催する企画展では、CCA北九州のアーティスツ・ブック・シリーズの制作過程を展観することで、作品としてのアーティスト・ブックとその可能性を 探っていきます。
ギャラリー内では、アーティスト・ブックへの参加作家のうち、ダニエル・ビュレン 、ホワン・ヨン・ピン、ローレンス・ウィナーの3人を取り上げ、それぞれの制作プロセスを展開します。また店内にはCCAのすべてのアーティスト・ブックを展示し、ご覧いただきます。
ダニエル・ビュレン:
1938年パリに生まれ、1965年より白と他色を交互に8.7・の幅で配したストライプを用 い て制作。そのストライプは作品が作られる場所の計測の尺度となる共通単位として用い
ることができる。特定の場所に置かれたストライプは、測定のための物差しの目盛りと 同じ機能をその場に視覚的に確定していく。主な展覧会:クンストハウス・ブレゲンツ
( 2001)、カジノ・ルクセンブルク(2000)、ヴィラ・メディチ、ローマ(2000)、ルー ア ン美術館(2000)など。
ホワン・ヨン・ピン:
1954年中国○門で生まれ、1989年以降パリを拠点に活動する。中国古代文化における神 秘的な活力の要素、たとえば道教方術、占卜、薬物などにおける考え方を用いながら、
世界各地でさまざまなプロジェクトを行ってきた。主な個展:ジャック・ティルトン・ギ ャラリー、ニューヨーク(2000)、デ・アペル現代美術センター、アムステルダム(199
7 )、カルティエ現代美術財団、パリ(1999)、シカゴ近代美術館(1999)、PS1現代美 術 センター、ニューヨーク(1998)、ヨハネス1トブルグ・ビエンナーレ(1997)など。
ローレンス・ウィナー:
1942年ニューヨークに生まれ、ニューヨークとアムステルダムを拠点に活動する。1960 年代より言語の型を用いて作品を制作しているが、その言語の使い方は抽象的な意味合
いを排除するものであり、場所性や理解のされ方といった文脈によって成り立つひまた 彼の作品は、コンセプチュアル・アートおよびそれに関連する動きなどの歴史的な背景
の 中で、重要な影響力を持ち続けている。主な展覧会:レイナ・ソフィア国立美術館、マ ドリッド(2001)、グッゲンハイム美術館、ベルリン(2000)、ウィーン・クンストラ
ーハウス(2000)、ルードヴィッヒ美術館、ケルン(1995)。 |