■ギャラリートーク 7月11日[金]18:00〜 天明屋尚 vs. 吉永マサユキ
天明屋尚は、伝統的な日本画の画風をもちい、独学で身につけた手法と強烈な表現力によるメッセージを込めた作品で、いま急速に注目されている新鋭の画家です。天明屋が
アーティストとしての足を踏み出したのは30代。多くの職業を経験したのち、CDジャ ケット制作のアートディレクターにたどり着きましたが、それさえもなげうってアートの道に分け入った根底には、ほかならぬ河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)へのリスペ
クトがありました。
河鍋暁斎は、江戸時代後期から明治初期にかけて活躍した異色の画家です。狩野派に属 し幕府の御用絵師という立場にありながら、大衆画家 歌川国芳に師事し、庶民の視点
から諷刺画や怪異画を描いた、暁斎。その伝統や属派の枠にとらわれない姿勢と権威主義 と闘う反骨精神に自らを重ね合わせてきた天明屋は、2002
年に、 河鍋暁斎記念美術館 における展覧会「天明屋尚と暁斎展」を開催、「COMME CA COLLECTION 2002-2003 秋
冬東京コレクション」でコラボレーション。2003年には、「岡本太郎記念現代芸術大賞 」で優秀賞を受賞して話題にのぼるなど、河鍋暁斎と同じ土俵に立とうとする自らの志
を様々な形で体現しています。
今回 NADiff で開催される展覧会のタイトルは『画強』です。室町時代の絵師 雪舟は 、 絵の聖人「画聖」と呼ばれ、江戸時代の絵師
葛飾北斎の晩年の画号は、絵で狂う「画狂老人」。そして幕末から明治の絵師 河鍋暁斎は、絵の鬼と称され「画鬼」と呼ばれま した。そこで、平成の絵師を名乗る天明屋
尚は、「画強」と自称。ギャラリーでは、天明屋が毎月連載している雑誌「BURST」と「GETON!」に掲載された原画および未発表作品 を中心に展示します。
絵で闘う流派「武闘派」を旗揚げした絵師 天明屋の矛先は、硬直化した新旧の芸術はもちろん、社会の既製概念や現代人の動行にまで向けられます。その暴力的な表現と独自
のテクニックを武器に、たった一人で闘い挑みつづける 天明屋尚の眼差しが、 NADiff の『画強』でかいま見られることでしょう。
◆展覧会併催
天明屋尚は、NADiff の『画強』開催中、7月9日[水]−8月9日[土]の会期でミヅマアートギャラリーにおいても展覧会『傾く(かぶく)』を開催します。
◆画集発行
"武闘派"現代美術家 天明屋尚、初の画集「ジャパニーズ・スピリット」を両展覧会の開催に合わせて発売。 金箔の上に描かれた代表作??「ジャパニーズ・スピリット」を始め雑誌好評連載作品をも含む、100点余りの大和魂炸裂画を、天明屋自身による構成 デザインでまとめ上げた傑作本です。
タイトル:『Japanese Siprit』
発行:学研/体裁:A4/オールカラー/80頁
発売:2003年7月8日/価格:2,500円(税別)
■プロフィール
天明屋尚 (てんみょうや・ひさし)
1966年東京生まれ(埼玉在住)。レコード会社のアートディレクターなどを経て、現在、現代美術家として活動。独学で絵画を学び、日本伝統美術を継承、破壊、進化させ、あらゆる芸術や権威と闘うべく、日本伝統美術の流派を皮肉り、絵で闘う流派『武闘派』を旗揚げ。暴力、信仰、社会諷刺など様々な事柄を描くネオ日本画絵師。
【個展・グループ展】
2000年 初個展「Japanese Spirit」HARAJIUKU GALLERY(東京)
2001年 個展「天明屋尚展」PROGETTO(東京)
2001年 「One Planet under a Groove:Hip Hop
and Contemporary Art」ブロンクス美術館 (ニューヨーク),
2001年 ウォーカー・アートセンター(ミネアポリス),スペルマン大学美術館(アトランタ),
2001年 ミュンヘンを2003年秋まで巡回
2002年 個展「ネオ日本画展」depot(東京) 「天明屋尚と暁斎展」河鍋暁斎記念美術館(埼玉)
2003年 スペイン アートフェア「ARCO」に出品
2003年 「The American Effect」ホイットニー美術館(ニューヨーク)予定
【その他】
1990年 「第11回日本グラフィック展」審査員賞,渋谷PARCO(東京),他
1997年 「JACA`97」特別賞,フジタバンテ(東京),キエフ ウクライナ芸術アカデミー(ウクライナ),
1997年 ブラティスラバ市立博物館(スロバキア)
1999年 「URBANART#8」リキテックス賞,渋谷PARCO(東京)
2001年 「第8回リキテックス・ビエンナーレ展」奨励賞,青山スパイラル(東京)
2002年 DVD『松本人志スーパー一人ごっつ(Vol.3)』×『天明屋尚』発売
2002年 「COMME CA COLLECTION 2002-2003 秋冬東京コレクション×天明屋尚」,
2002年 原宿クエストホール(東京)
2003年 「第6回岡本太郎記念現代芸術大賞展」優秀賞,川崎市岡本太郎美術館(神奈川 )
【連載】
2000年1月〜 「BURST」毎月連載
2001年8月〜 「GETON!」毎月連載
■企画協力:浅野研究所 |