■ギャラリー・トーク 10月26日 18:00-20:00 ゲスト:佐野史郎(俳優) 司会:湯浅学(音楽評論家)
ナディッフでは大竹伸朗の未発表ドローイングの展覧会「ヤバな午後」を開催いたします。
大竹伸朗のドローイングの中から、人物(少々風変わりな男または女)が描かれた作品を選び、ギャラリーを構成いたします。
80年代の「ニューペインティング」のブームを背景にデビュー。ペインティング、コラージュ、スクラップブックなど圧倒的な存在感を示す厚塗りとマスキングテープを用いた張り重ねの作品群で、大竹伸朗は一躍スターになりました。その後、宇和島に居を移し、造船の技術でもあるFRPの技法を得、「網膜」シリーズほかを発表。また今ならFound
Objetsとして位置づけられるような廃品の収拾を継続的に行い、「既にそこにあるもの」と名づけます。そして、日本各地で風景ごと廃品化したような様々な場所を取材、スケッチしていく「日本景」シリーズに繋がっていきます。それは、確かな技量を持ち、ホックニーやピカソに心酔しながら、表現主義的なモダニズムを乗り越えていった過程でもあります。
生粋のペインターでありながら、描くことをラディカルに思考し、体現しつづける大竹伸朗。
旅すること(歩くこと)、拾うこと(取捨選択)、集めること(蒐集、収拾)、切り貼りすること、写すこと、印刷すること、そして音を出すことなど、プリミティブな身体の興味と同等なものとして、そうした運動の根源に遡行していくことを通じて、描くことを見出す大竹伸朗の、その何ものにも拘束されず、レールに乗らず、妥協を許さないスタイルは、見るものの心を捕らえて離しません。
「ヤバな午後」は、東京都現代美術館において行われる今までにない規模の展覧会「全景」展の開催に時期をあわせた、重要なドローイング・シリーズの展示です。
また、同時にこれらのドローイングを収録した作品集『ヤバな午後』も刊行いたします。
大竹伸朗の創作の原点である描くこと(ドローイング)を展覧しながら、夢と現実のはざまにただよう「ヤバな午後」の白昼夢にも似た描線と、それがいくつかの男と女のプロフィールとなって立ち現れる様子をご覧いただけます。
協力:ベイスギャラリー
■ 最新刊 『ヤバな午後』
テキスト・題字・ブックデザイン:大竹伸朗 発行:ナディッフ
B5判/40ページ/未発表ドローイング15点
価格:2,100円(税込)
■ 同時期開催展覧会
solo exhibition
「全景」(東京都現代美術館) 10/14[土]-12/24[日]
「旅景」(ベイス・ギャラリー) 9/25[月]-12/25[月]
「大竹伸朗と別海」 北海道別海ウルリー牧場 10/20[金]-12/25[月]
group exhibition
「直島スタンダード2」 直島全域 10/7[土]-12/24[日] 2007年2/24[土]-4/15[日]
「水はつねに複数で流れる-東野芳明を偲ぶオマージュ展」ギャラリーTOM 10/14[土]-11/12[日]
「FIX・MIX・MAX! アートのフロントライン(最前線)」北海道立近代美術館 11/10[金]-11/19[日] |