2015年10月の第一冊目を皮切りに、以降一年間、毎月一冊、【月刊 鈴木育郎】の写真集が出版されます。テーマ、サイズ、ページ数、定価の異なる全12冊が、圧倒的な熱量で発信されていきます。
NADiff a/p/a/r/tでは月々の写真集の販売と併せて、毎月一枚の鈴木育郎のプリントを店内にて展示する「今月の鈴木育郎」を開催いたします。アップデートし続ける写真集、そして作家の現在を、めくるめく「今月の鈴木育郎」を通してご覧いただきます。
著者あとがき 第一弾『解業』より
明けに大阪から戻った私は、再び東京のエネルギーの渦に引き込まれていった。8月の旅へ向けて準備をする中、写真集の発表が決まり今まで以上に明確な目標ができた。
出会いの喜び、別れの悲しみ、全てを生きる力にする。写真はそれを後押しし記録する。人がそれぞれに背負った業は、人を幸せにし人を傷つける。自分の写真は見た人の業を一瞬でも軽くし、解いていく。出会う人にとってもそういう人間でありたいし、自分の写真もそうでありたい。自分が人との関わりや写真や他の表現にそれを求めるように。
深紅駆け巡るこの肉体が光を前に立ち止まり、鼓動を胸から投げたとき、決して止まることのないこの時を瞳の奥に刻み込む。
すべての写真は幻、出会うその時まで。
―――― 鈴木育郎
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