NADiff GALLERY
Motohiro Tomii, Stack
冨井大裕 Stack
2010年6月4日[金] -7月4日[日]
Opening Reception: 6月11日[金] 19:00-20:30
*レセプションは初日ではありません。ご注意下さい。
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彫刻家・冨井大裕(とみいもとひろ)の作品展を開催いたします。
本人は自身を「彫刻家」とも作品を「彫刻」作品とも言わない。ただし、そのように呼ばれることも否定しない。ここには現代彫刻の置かれるコンテクスト上の問題が集約しているというようにも考えられる。ひとつ言えるのは冨井大裕が自身の表現について根源的に遡行しながら考えつづけているということであろう。
「反芸術」「もの派」が更地にした芸術の地平より、「ポストもの派」からゼロ年代にかけて美術においては絵画、彫刻の復権が言われるに至った現在。そのあとで、作品を彫刻と名づけ彫刻家と名乗ることの積極的な意味を自身が背負うことの正当性は見出しにくい。そのような考えから、冨井は自身の作品の位置づけと制作のアプローチやアティチュードを慎重に確定していく。
その表現には、素材自身が持つ可能性の拡張、素材との関係の親密さ、規則とその逸脱、素材に対する愛着とそこはかとないユーモアが織り交ぜられている。一目見て「わかる」「うける」「体感する」ようなシンプルで説得力のある結果としての「作品」と、それを産み出すための思考のプロセスを同時に見せていくような方法を律儀に提出するその作法がひとつの道筋となって連なっていく。
こうした方法と仕事を見ていくにつけ、冨井はその出自からいっても再帰的に見てもやはり現在の彫刻家である。
冨井大裕の新作を含む作品と空間をぜひご堪能ください。
□展示プラン
既製品の連続的・規則的な集積をひとつのスタイルとして作品製作をしています。今回は、既製品を積み重ね(stack)て、制作された新作の立体作品に加え、まったく新たに「文字」をモチーフにした意欲作を展示いたします。
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左:「ball sheet ball」アルミ板、スーパーボール:2006年:87×60×30cm:撮影/柳場大
右:「four color sponges」スポンジ:2006年:149×34×34p:撮影/柳場大
左:「20 nets and 80 clamps」エキスパンドメタル、クランプ:2009年:120.5×46×46cm:撮影/柳場大
右:「ゴールドフィンガー」画鋲:2007年:181.5×181.5×0.1cm:撮影/柳場大
Profile
冨井大裕 (とみいもとひろ)
1973 新潟県に生まれる
1999 武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了(修了制作優秀賞受賞)
第4回アート公募2000審査員大賞受賞
<主な個展>
2010 「作品展」NADiff a/p/a/r/t 店内/東京
「catch as catch can」現代HEIGHTS Gallery DEN/東京
2009 「かみの仕事」Art Center Ongoing/東京
2008 「身の回りのものによる色とかたち」遊戯室(中崎透+遠藤水城)/茨城
「企画展=収蔵展」アーカス・スタジオ/茨城
2007 「みるための時間」武蔵野美術大学美術資料図書館・民俗資料室ギャラリー/東京
「αmプロジェクト ON THE TRAIL vol.2」art space kimura ASK?/東京
2005 「仮眠的」中崎透遊戯室/東京、「空白の作り方」U8 Projects/愛知、CAS/大阪
2004 switch point/東京(以後、`05`06`07`08`09)
2003 art & river bank/東京(以後、`07)
2002 ZaGallery有明/東京(以後、`04)
2001 「ありさま」マキイマサルファインアーツ/東京、「ある」藍画廊/東京
2000 モリスギャラリー/東京(以後、`02)、「モノローグ」松明堂ギャラリー/東京
1999 「見えない部屋」ガレリアラセン/東京、なるせ美術座/東京(以後、`02)
1998 ギャラリー現/東京(以後、`99`06`09)
<主なグループ展>
2009 「エマージング・ディレクターズ・アートフェア ULTRA002」スパイラル/東京
「第1回所沢ビエンナーレ美術展 ー引込線ー」西武鉄道旧所沢車両工場/埼玉
「アテンプト2 矢櫃徳三・久家靖秀・冨井大裕・ジャンボスズキ」カスヤの森現代美術館/神奈川
「Inside Outline 冨井大裕+奥村雄樹」KABEGIWA/東京
「変成態ーリアルな現代の物質性」Vol.2 冨井大裕×中西信洋「揺れ動く物性」ギャラリーαM/東京
「リニューアル」武蔵野美術大学美術資料図書館/東京、「壁ぎわ」現代HEIGHTS Gallery Den/東京
2008 「BROKEN」TIME & STYLE MIDTOWN/東京、「5×5」万国橋ギャラリー/横浜
アートプログラム青梅「空気遠近法・青梅-U39」青梅織物工業協同組合施設/東京
「ニューバランス」gallery Archipelago/東京
2007 「ニュー・ヴィジョン・サイタマ V 7つの眼×7つの作法」埼玉県立近代美術館/埼玉
「pre」switch point/東京、「壁ぎわ」KABEGIWA/東京
2006 「基準の技術」KABEGIWA/東京、「色と形」KABEGIWA/東京
2005 「12 DIVERS AT THE MOUNTAIN GATE」旧山口履物店/東京
「MATERIAL MIXTURE」node cube/東京
「芸術の山/第0合/発刊準備公開キャンプ/立体編その1」NADiff/東京
「cat's heaven...!」gallery Archipelago/東京
「美術の星座 2005 Constellation of Art」ギャラリーくまい/東京
「字界へー隘路のかたちー」長久手町文化の家/愛知
2004 「conran show」OKADA STUDIO/愛知、「floating scale ー「スケール」を巡る旅ー」学食2F/愛知
「space」U8 Projects/愛知
2003 「栞展」藍画廊/東京
2001 「minimum continuation //継続」exhibit LIVE/東京
2000 「美術の星座 Constellation of Art 1998-1999-2000」なるせ美術座/東京
「TRANSIT/経由・帯域」(第4回アート公募2000ガレリアラセン画廊企画賞展)ガレリアラセン/東京
丹羽陽太郎×冨井大裕「机上の空論」ギャラリーマロニエ/京都
1999 木村裕×冨井大裕「存在の家−見知らぬ私のために−」メタル・アート・ミュージアム─光の谷─/千葉
「第4回アート公募2000」新木場SOKOギャラリー/東京
「ほどけない神経の鍵穴」ギャラリー那由他/横浜
1998 「対話する器」ギャラリー那由他/横浜
1997 冨井大裕×丹羽陽太郎「Dramaturgie−すれ違う日常−」キッド・アイラック・アート・ホール/東京
<コミッションワーク>
2008 日吉の家(設計 田中裕之建築設計事務所)/神奈川
<その他>
2009 作品展示「福永信フェア」ジュンク堂書店・新宿店および池袋店/東京
2008 版画集「壁ぎわ」(制作 Itazu Litho-Grafik)